産業ロックと言われましたが・・・

　１９８１年発売、前作『ディパーチャー』まで、キーボードとヴォーカルを担当していたのグレッグ・ローリーが脱退、新たに元ベイビーズのジョナサン・ケインが参加し、初の全米ナンバー１を記録した大ヒットアルバム。『オープン・アームズ』『ドント・ストップ・ビリービン』『クラインｸﾞ・ナウ』などの大ヒットシングルを生み、ジャーニーのアルバムで最も有名なアルバムです。

　メンバーチェンジが大成功しました。デビュー当時からのメンバーであるグレッグ・ローリーの脱退は、ファンにはショックだったと思いますが、ジョナサン・ケインの加入により、以前よりポップなメロディーを主体にした楽曲が多くなり、数多くのシングルヒットが生まれました。前作『ディパーチャー』までのサウンドは、宇宙空間をイメージしたような広がりのあるアレンジの曲が多く、プログレッシブ・ロックのバンドと比較される事もありましたが、このアルバムから、そういう広大なイメージの曲にこだわらずに、ジョナサン・ケインのソングライターとしての才能を生かした曲作りになっています。また、以前は、スティーブ・ペリーだけでなく、グレッグ・ローリーが泥臭いリードヴォーカルを聴かせてくれる曲も収録していましたが、このアルバムからは、ヴォーカルはスティーブ・ペリーに任せて、他のメンバーはコーラスと担当楽器に専念しています。

　大ヒットシングルが続き、一気にアメリカでトップのバンドになりましたが、ポップな曲が多くなった事から、産業ロック、売れ線狙いなどの批判を浴びてしまいました。しかし、以前ほどスケールの大きいアレンジこそ無いものの、やはり曲が良くなっていますし、スタジオミュージシャンが集結して結成されて話題になったＴＯＴＯと比較されるほど高い演奏力を持っています。『ドント・ストップ・ビリービン』『クライング・ナウ』『オープン・アームズ 』などのヒット曲ではヴォーカルを最大限に生かす為に控えめな演奏に徹していますが、これらの曲でも抜群にアレンジセンスが感じられますし、『キープ・オン・ランニン』『デッド・オア・アライブ』『マザー・ファーザー』などの曲では驚異的な演奏力を発揮しています。産業ロックと言われて非難されたアルバムですが、こういう壮絶な演奏をマネできるミュージシャンは、そう多くはありません。ポップなメロディとハードでハイセンスな演奏が見事に融合した名盤だと思います。ポップで歌いやすいヒット曲が楽しみたい方にも、バンドをやっている方にとってもオススメの名盤です。

　  　

 

■　デッド・オア・アライブ　■

　このアルバムの中で最もヘヴィな曲です。シングルヒットが多かった為、ヒット曲ばかりが注目されますが、こんな名曲も収録されています。ギターのリフを中心に組み立てた曲なのでニール・ショーンが中心になって作られた曲だと思いますが、中途半端なヘビメタのバンドではマネのできない壮絶な演奏を聴かせてくれます。ギター、ベース、ドラムなどの楽器をやっている方には刺激的な曲だ思います。

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ＳＡＣＤが最高音質

　８０年代にＣＤで発売された時は、極端に音が悪く、アナログ盤の方がいい音質でしたが、近年になってリマスター盤などが発売され、音質のいいＣＤが発売されています。ボーナストラックを追加した紙ジャケットシリーズなども音質が良くなっていますが、一番音質が良かったのはＳＡＣＤでした。元の音源があまり良くないのか、リマスターＣＤでは、それほど大きな変化は感じませんでしたが、ＳＡＣＤでは、各楽器の音がハッキリとクリアになっているので音質にこだわりたい方はＳＡＣＤがオススメです。

 

 

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