ロックとジャズの融合、そして・・・

　１９７７年発売、スティーリー・ダンの６枚目のアルバム。アメリカチャートで最高位３位まで上昇しプラチナディスクを獲得。この年のグラミー賞の最優秀録音賞を受賞。アルバムの内容も充実していましたが、その音質の良さが高く評価されたアルバムでした。芸術性の高いアルバムジャケット印象的ですが、このジャケットは日本人のモデルを使ってされていて、ＡＪＡとＡＳＩＡを掛けたセンスにも感心させられます。

　多分、知らない人が聴いたら、このアルバムが１９７７年度作品だと言っても信じないんじゃないでしょうか？。美しいコーラスワークにサポートされたポップセンスあふれるメロディに、ジャズ的なセンスを取り入れた抜群のアレンジ、しかも、今聴いても全く古さを感じさせない音質の良さ！スティーリー・ダンの曲を聴いた事が無い人でも、このアルバムに収録された曲に影響を受けてレコーディングされた曲は、必ず聴いた事があるはずです。このアルバムに参加しているミュージシャンは、ロック系のアーティストだけでなく、ラリー・カールトン、スティーブ・ガッド、ウェイン・ショーター、バーナード・パーディーなどジャズ畑で活躍するアーティストが参加していて、ロックというジャンルを超えたテクニックとセンスを、スティーリー・ダンの曲に生かし、ドップリとジャズフィーリングというプレイではなく、ロックとジャズを見事に融合させたプレイをしています。このアルバムが発売された当時は、ロック系のミュージシャンには、ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』と同じように、かなりショッキングなアルバムだったと思います。しかも、グラミー賞の最優秀録音賞を受賞するほどの音質の良さは、ミュージシャンだけでなくレコーディングエンジニアなど、音楽関係者にも衝撃的だったはずです。そして、ポップスファンにも受け入れられるメロディアスな曲が多かった為、玄人好みの売れない名盤ではなく、ヒットアルバムになりました。この後に発売される『ガウチョ』と共に人気を二分する名盤ですが、ポップな味わいという意味では、この作品がベストかもしれません。

　メロディが重視されたアルバムで、コーラスには、イーグルスのティモシー・Ｂ・シュミットなども参加していますが、贅沢すぎるほど一流ミュージシャンを集結させて製作されたアルバムなのでゴージャスなアレンジ、ミュージシャンのテクニカルなプレイが楽しめます。２曲目の『彩(エイジャ)』には、壮絶なドラムソロなども収録されているのでドラマーの方には、かなりの刺激になると思いますし、７曲目の『ジョージー』のベースのフレーズは、かなり多くのベースプレイヤーにマネされていているので、このフレーズを聴いた事がある！という人も多いと思います。リスナーだけでなく、プロ・アマ問わずミュージシャンに大きな影響を与えているアルバムなので、ポップスファンからミュージシャンまで幅広いロックファンが楽しめるアルバムとしてオススメできる名盤です。

　  　

 

■　彩(エイジャ) 　■

　きらめくようなピアノの響きで彩られて、ゆったりとしたビートではじまりますが、曲の後半になると、激しいドラムソロが展開！サックスのリードプレイと見事に重なり、一流ミュージシャンならではの、スリリングなドラムのプレイに興奮させられます。

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ＳＨＭ−ＣＤ

　元々の音質がいいアルバムですが、ＳＨＭ−ＣＤの音質が、今のところ一番いいような気がします。８０年代に最初にＣＤ化された時の音質がかなり悪かったので、現在発売されているリマスター盤、ＳＨＭ−ＣＤなどは、かなり音質が改善されています。特にＳＨＭ−ＣＤでは、音がクリアになっただけでなく、低音が充実しているので、アナログ盤に近い高音質で楽しむことができます。出来る限り高音質で楽しみたいという方には、ＳＨＭ−ＣＤがオススメです。

 

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