グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞！

　１９９５年発売のデイヴ･マシューズ・バンドのセカンドアルバム。全米初登場第２位を記録し、デビューアルバムの約２倍の８００万枚のセールスを記録し、この年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した名盤です。『クラッシュ･イントゥ･ミー』『＃４１』『トリッピング･ビリー』などを収録しています。

　セカンドアルバムで早くもグラミー賞を受賞！。デイヴ･マシューズ･バンドの才能を証明するような快挙ですが、天才スタジオミュージシャンが集結して結成されたＴＯＴＯでさえ、グラミー賞を受賞したのは４枚目の『聖なる剣』で、バンドとして頂点に立つまでに数年を要した事を考えれば、あまりにも早熟というか、いやはや恐ろしい才能です。デビューアルバムでは、メンバー同志がお互いのプレイヤビリティ、センスを完璧に理解していなかった為かラフな部分もありましたが、このアルバムでのバンドの一体感は完璧でダイナミックな演奏を聴かせてくれます。

　１曲目『ソー・マッチ・トゥ・セイ』は、渋い正統派のブルースロック、２曲目の『トぅーステップ』のイントロは、ウィッシュボーン・アッシュの名曲『キング･ウィル･カム』のイントロそっくりで、クラッシックロックのファンには懐かしさを感じさせてくれると思います。３曲目『クラッシュ・イントゥ・ミー』はデイヴ･マシューズならではのギターセンスでメロディアスなアコースティックギターが楽しめますし、デイヴ･マシューズ･バンドの代表曲となる５曲目『＃４１』のジャズフィーリングは鳥肌物です。壮絶なドラムソロではじまる６曲目『セイ･グッドバイ』は、古きよき時代７０年代のフィーリングを感じさせてくれる名曲で、７曲目『ドライヴ・イン・ドライヴ・アウト』では、デイヴ･マシューズ･バンドにしては珍しくギターのリフを中心にしたヘヴィなナンバーを楽しめます。８曲目『レット・ユー・ダウン』、１０曲目『クライ・フリーダム』の２曲は、デイヴ･マシューズらしいしっとりとしたバラード、９曲目『ライ・イン・アワ・グレイヴス』では、ボイド・ティンズレーのバイオリンが大活躍するカントリーナンバーを満喫できます。バンドのパワーが炸裂するパワーファンク系の『トゥー・マッチ』『トリッピング・ビリーズ』の２曲のファンクビートは、ダンスミュージックのファンもうならせる筈です。そしてエンディングの『プラウデスト・モンキー』では、シンプルなコード進行で、即興演奏のバトルの緊張感が９分以上にわたって楽しめます。グラミー賞受賞アルバムにふさわしいゴージャスな内容のアルバムで捨て曲無しの名盤です。

　プロデューサーは、前作同様にスティーブ･リリーホワイトですが、バンドのメンバーのプレイヤビリティが異常に高い為、派手なエフェクトは一切無く、楽器の音のリアリティを忠実に再現しただけで、前作よりもシンプルなプロデュースになっています。音は出来るだけキレイに録って、バンドのエネルギーとセンスを生かす事に徹して成功した形でしょう。アレンジに関するアイディアもほとんどバンドのメンバーが主体になっているような気がしますし、ヘタにいじらない方が、名盤になるという事を証明したようなプロデュースだと思います。個人的には、ギター、ドラムの音の録りかたが最高だと思います。これほど凄いバンドと一緒に仕事をできるというだけでもプロデューサーとしては大満足だとおもいますが、グラミー賞受賞という栄冠まで授かったんですから、スティーブ･リリーホワイトとしても誇らしい仕事だったんじゃないでしょうか。

 

　グラミー賞を受賞した名盤なので、ファーストアルバム『アンダー･ザ・テーブル・アンド･ドリーミング』よりもセールスも一般の評価も高いアルバムですが、アコースティックナンバーが多いファーストアルバムの方が好きだ！というファンも結構多いようです。私はドラムをやっていた為、ドラマーの視点から考えると本作の方が好きですが、私の友人はファーストアルバムの方が好きだと言っています。アルバムジャケットに関してはファーストの方がセンスがいいと思いますが、内容に関しては好みでしょうね。

 

 

■　＃４１　■

　この曲は、ライブでゲストアーティストと共に演奏される事も多く、即興演奏で自由に感性を表現できる曲としてメンバーにとっても重要なレパートリーですが、自分の生き方を貫こうとする意志を表明するような歌詞も印象に残ります。

僕はこういうやり方でいくよ

そして自分の道を見いだすんだ

君にここにいてくれるよう頼んだりはしない

僕はもっともっと、自分に近づいていく

 

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かなりお買い得です。

　グラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞したにも関わらず、日本では人気の無いバンドなので中古商品だと激安で入手できます。この国内盤は歌詞対訳付きなので国内盤がオススメです。

 

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