宇宙船ノストロモ号は、地球に帰る途中に他の宇宙船からのSOSを傍受、救助のために、ＳＯＳが発信されていた惑星に着陸し、探査を開始する。全７人の船員のうち３人が、探査に向かい宇宙船を発見するが、人影はなく、大量の大きな卵を発見、探査に向かった船員の一人が卵をのぞき込むと、突然、謎の生物が顔に付着してしまう。ノストロモ号に戻った船員たちは、顔に付着した生物を取り除くが、その生物は強い酸性の体液を持ち、人間に寄生して増殖しようとして、人間の体内に入り込み、一人が犠牲になってしまう。パニックに陥った船員たちは、その生物を殺そうとするが、船員の一人が、生け捕りにして地球に持ち帰るべきだと主張する。そして、また犠牲者が・・・。

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　監督は、『ブラックホーク・ダウン』『プロヴァンスの贈りもの』などのリドリー・スコット、『ワーキング・ガール』などのシガニー・ウィーバー。人間と地球外生命体の戦いを描いたＳＦホーラー映画の傑作。大ヒットしてシリーズ化されました。

　怖いＳＦ映画です。このエイリアンは、スイス人の画家で、デザイナーであるH・R・ギーガーがデザインした生物を採用しています。一般的によく知られているグレイ型の目と頭が大きく、小さな体の宇宙人なら、それほど怖くはありませんが、異様な姿で、金属を溶かすほと強い酸を含む体液を持ち、高度な知能と獰猛な本能を持つモンスターのような生命体だと、とても人間には、勝ち目がありません。こんな生き物が猛スピードで床を這いずり回り、襲ってくるのですから、本当に怖いです。H・R・ギーガーのデザインを絵画的なセンスで取り入れた映像は秀逸ですし、リドリー・スコット監督の演出は、ホラー映画としても１級の迫力があるので、公開当時は、かなりの衝撃でした。１９７９年の作品なので、最近のＳＦ映画と比べると多少古さは感じますが、作品の芸術性や迫力は、今観ても歴史に残る傑作である事を実感させてくれます。『遊星からの物体Ｘ』と並んで地球外生命体を描いたＳＦ映画の最高傑作だと思います。

会社の利益を優先する

　エイリアンの異様な姿や、ビジネス用の巨大な宇宙船などは、リアリティが無く、遠い未来のお話という気がしますが、会社の利益の為にエイリアンを捕獲して地球に持ち帰ろうとする設定には、現実味があって苦笑してしまいます。特に大企業に多いと思いますが、倫理観が全く感じられない非情な行動で、利益の追求を最優先する会社は現実に存在するので、シャレにならないなと感じてしまいます。

 

ジョンジー

　宇宙船ノストロモ号には７人の船員の他に、ペットの猫、ジョンジーが乗っています。エイリアンの居所が分らず、船内が混乱している時に、ジョンジーが行方不明になり、船員が探し回りますが、やっとジョンジーを見つけたと思ったら、ジョンジーは、歯をむき出しにして威嚇をはじめます。人間の恐怖の表情も緊迫感がありますが、猫が恐怖のあまり拒絶反応を示すシーンが、一層緊張感を高めています。

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