１９００年の夏、ベルリンギエリの農園に二人の男の子が生まれた。地主の息子として生まれたアルフレードと、小作人の息子のオルモ。この二少年は、身分の違いはあるものの、子供の頃から友情を育んでいく。第一次大戦が終わり、復員したオルモは農民運動を指導するアニタと、父親の保護の下、従軍を逃れたアルフレードは、自由奔放で妖艶なアーダとそれぞれ恋に落ちた。しかし、貧困にあえぐ農民と、武力によって現状を維持しようとする地主の対立は激化し、ファシズムという暗黒時代へ突入、二人の友情は、時代の荒波に呑み込まれていく・・・。

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　１９７６年イタリア・フランス・西ドイツ合作。監督は『ラスト・エンペラー』『リトル・ブッダ』『シェルタリング・スカイ』などの名匠ベルナルド・ベルトリッチ、出演は『ゴッドファーザーPart�U』『ミッドナイト･ラン』『ヒート』などのロバート・デ・ニーロ、『バロッコ』『ボン・ヴォヤージュ・運命の３６時間』などのジェラールド・ドパルデュー、『暗殺の森』『世界が燃えつきる日』などのドミニク・サンダ、そして、バート・ランカスター、ドナルド・サザーランドなどの名優も出演しています。全編５時間を越える超大作で、１９００年に生まれた二人の男の友情を、第一次世界大戦、第２次世界大戦という激動の時代を背景に描いた大河ロマンです。

　名作ですが、名匠ベルナルド・ベルトリッチ監督作品の中では、最も埋もれてしまっている作品といえるかもしれません。何といっても５時間を越える作品という事で、なかなか観る気になれないという人も多いと思いますが、ベルナルド・ベルトリッチ監督のファンでなくてもオススメできる名作です。地主の暮らしぶりや態度には、ちょっとイライラする場面もありますが、とにかくドラマとしてのストーリーがとにかく面白く、地主と農民の両方の視点から描かれているので、極端に右翼的だったり、左翼的だったりした作品になっていない所にも好感が持てます。残酷な父親を嫌うアルフレードも、地主の地位を継がなければならず、農民の代表的な存在である親友のオルモと敵対関係になってしまうという運命を軸にしていますが、暗くなりすぎないスパイスのようなユーモアもあります。ただし、ベルナルド・ベルトリッチ監督らしい、暴力と性の描写の生々しさは、かなりショッキングなシーンもあるので、今ならＲ指定作品になるでしょう。壮大なストーリーに官能的な要素とユーモア、そして時代のリアリズムを生々しい描写で描いた傑作です。

　１９７６年作品なので、ロバート・デ・ニーロ、ジェラールド・ドパルデュー、ドミニク・サンダがとにかく若いです！主演男優の二人は、かなりハンサムですし、ドミニク・サンダのヌードも、まるで絵画のような美しさです。この３人のファンの方なら、一度は観ておくべき作品だと思います。

人にかけられた呪いは、年々ふえていく

　牛舎で自殺する地主がつぶやくセリフですが、暗い時代を象徴している言葉なのか、世の中全体についての印象なのか微妙な感じです。今の時代も、どんどん厳しい環境になっていますし、まるで呪われているようだ、と感じる人も多いかもしれません。ちょっと怖いセリフで印象に残ります。

犠牲になるのは、常に労働者、農民・・・

　地主のアルフレードを農民が裁くシーンでは、リーダーのオルモが私たちに向かって語ります。地主が財力に物を言わせてファシストを雇い、ついには戦争に加担する、そして、戦争の前線に送られるのは労働者や農民などの貧しい人々・・・。一部の金持ちの為に、貧乏人が犠牲になる社会を批判したセリフですが、現代の世の中でも、この構図は、あまり変わっていないような気がします。

ＤＶＤ未発売

　当然かもしれませんが、この作品はＤＶＤ未発売です。隠れた名作ですが、５時間という長さもあり、一般的な人気は、いまひとつで、これからＤＶＤ化される見込みもありません。語学力に自身のある方は、輸入盤ＤＶＤを購入するという手もありますが、今のところ、中古のビデオテープなどで購入するしかありません。

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