1999年めりか作品。監督は、『ショーシャンクの空に』『マジェスティック』のフランク・ダラボン、出演は、『フォレスト・ガンプ・一期一会』『ロード・トゥ・パーディション』のトム・ハンクス、『インディアン・ランナー』ノ「デヴィッド・モース、『プライベート・ライアン』のバリー・ペッパーなど。無実の罪で投獄され死刑判決を受けた男と刑務所の職員の交流を描いた感動のドラマ。
3時間という長さ、メッセージ性の強いシリアスな作品ながら、物語が面白く娯楽性が十分で大ヒットした名作です。フランク・ダラボン監督の一貫したメッセージは、本作でも強く前面に打ち出されていて、終末の世の中に生きている私たちに重要な事を伝えようとする意図がはっきりと分かります。それでいて人間味溢れる登場人物たちの個性や物語の面白さが、シリアスなテーマを嫌う客層にも十分に楽しめるように工夫されています。物語のほとんどが刑務所内という地味な映像、3時間と言う長さにも関わらず、圧倒的な支持を得ているのは、トム・ハンクス、デイヴィッド・モースなどベテラン俳優の名演、監督をはじめとするスタッフの才能によると思いますが、すべての要素が完璧に組み合わされ奇跡のような作品です。この世の不条理を象徴したような悲しいシーンもあるので、情緒不安定なので感情を揺さぶられたくないという人は、感情が落ち着くまでは観ない方が良いかもしれません。
フランク・ダラボン監督の作品にはハズレがありません。どの作品にも素晴らしいストーリーがあり、現代人が失いがちな善意について強烈なメッセージを与えてくれます。本作も考えようによっては人間の生き方に究極の選択を迫っているような内容です。主人公のポールの心情も興味深い洞察が感じられます。私は根性が無くて、すぐに生きているのがイヤになってしまうような人間なので長生きをしたいと思った事がありません。正直言って今でも長生きしたいとは思いませんし、長生きしたいと思う気持ちも分かりません。この映画の主人公の看守ポールのような境遇になったらみんな同じように感じるかもしれません。
人間はひどいことを・・・、なぜ神が許すのか
他人に対して酷い仕打ちをしたり犯罪を犯したりする人は一向に居なくなりません。酷い事をした人間が必ず捕まって罪を償うとは限りませんし、なぜ神がお許しになるのか?と疑問に思う人は少なくないと思います。でも、もしかしたら、今は無事でも後々ちゃんと報いを受けるのかもしれません。
自分の行った悪事を心から悔いれば・・・
人間としてこの世に生まれて罪を犯さない人はいないでしょう。多かれ少なかれ罪を犯します。でも、その罪を心から悔いて改める人と、開き直って悔い改めない人では大きな差があるような気がします。天国があるとすれば、悔い改めた人には、そこに行くチャンスがあるような気がします。
つらいのは今だけだ、その後は良くなる
感受性が豊かな人、想像力に富んでいる人は他人の苦しみも敏感に感じ取ってしまい苦しむ事が多いと思います。他人の為に犠牲になったり苦しんだ人には、きっと良いことが待ち受けていると思います。
最後の審判の日、神の前に立った時、神は俺にお尋ねになる
ちょっと重苦しいテーマでしょうか。でもこの作品の重要なテーマだと思います。自分の悪い行いについては、いずれ神様に申し開きをしなければならないと考えれば、言動や行いは善良なものになるはずです。言い訳ができないような生き方をしていないかどうか、自分に問いかけなければなりません。