1998年アメリカ作品。監督は『カラー・パープル』『ターミナル』などのスティーブン・スピルバーグ、出演は、『フォレスト・ガンプ/一期一会』『キャスト・ウェイ』などのトム・ハンクス、『グッド・ウィル・ハンティング』『ボーン・アイデンティティ』のマット・デイモン、『ワイルド・スピード』のヴィン・ディーゼル、『ミリオンダラー・ホテル』のジェレミー・デイヴィス、『7つの贈り物』のバリー・ペッパーなど。3人の息子を戦争で失った母親の為に、一人の兵士を救い出そうとする救出部隊の作戦を描いた戦争映画。
まず驚かされるのが、映画のオープニングでの生々しい戦闘シーン。CGを多用した現代の映画とは全く違った迫力があり、CGを使わない実写での戦闘シーンとしては映画史上最高の映像でしょう。また、トム・ハンクスをはじめ、個性的なキャストによって、戦場版の『七人の侍』とでも言えるような人間味、味わいがあり、ド迫力の戦闘シーンを楽しめるエンターテイメント性と感動のストーリーを楽しめる作品になっています。後悔当時も大きな評価を得ていますが、戦争映画の中では歴史的な名作として語り継がれる作品だと思います。ただし、ヒューマニズムによる感動的な要素はあるものの、哲学感、反戦思想などは感じられず娯楽作品の域を出ていません。同時期に公開になった『シン・レッド・ライン』に比べると知性が感じられず、この辺がスピルバーグ監督の限界なのかな、という気がします。
戦争映画としてのエンターテイメント性を考えれば最高傑作だと思いますが、同時期に公開になった『シン・レッド・ライン』と比べてしまうと、どうしてもレベルが低いように感じてしまいます。個人的な好みですが、テレンス・マリック監督の知性、哲学感が反映された『シン・レッド・ライン』と比べると、映像のリアリティやドラマ性は高いものの興行的なヒットを狙った一般向け作品で啓発的なメッセージに欠けると感じてしまいます。
イギリス軍がノロくて・・・
ちょっと笑えるセリフです。連合軍として共に戦っていたアメリカとイギリスですが、互いに不満があったんでしょうね。アメリカ軍にしてみれば、イギリス軍の行動がスローに感じられたのかもしれませんが、イギリス軍にしてみれば、アメリカ軍はバカで使えないと感じていたかもしれません。
神の力あれば敵なし
狙撃兵のダニエルは信仰心が強く、自分が神に守られていると信じているので、不安で仲間の兵士が眠れない時でもすぐに眠ってしまいます。神様のご加護があるなら、何も心配する必要はないんでしょうね。