ニューヨークのオークションハウスに勤めるごく普通のまじめな青年マイケルは、恋人ジーナにプロポーズする。しかし、彼女は涙ながらに結婚を断る。彼女の父はマフィアの一員なのだ。それでも、必死に説得する彼の熱意にジーナはやっと結婚を承諾する。しかし、案の定二人の前に組織がらみの災難が次々と襲いかかり、結婚までの道のりは決して楽なものではなかった。

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　１９９９年アメリカ作品。監督はケリー・メイキン、出演は、『ラブ・アクチュアリー』『ブリジット・ジョーンズの日記』のヒュー・グラント、『ゴッドファーザー』『ゲット・スマート』などのジェームズ・カーンなど。婚約者の女性の父親がマフィアの一員だった事から、マフィアがらみの事件に巻き込まれてしまった青年の恋愛と結婚を描いたコメディ作品。

　ヒュー･グラント主演のラブコメの秀作。日本では、あまりヒットしませんでしたが、ヒュー･グランとらしい、気弱で一言多い好青年というキャラクターが生かされたコメディ映画です。ちょっとB級っぽいイメージもありますが、マフィアのメンバーには、『ゴッドファーザー』でドンの長男を演じていたジェームズ･カーン、『ロッキー』シリーズでエイドリアンの兄ポーリーを演じていたバーと･ヤングを起用するなど、なかなか豪華な出演者です。堅気の人間がマフィアの世界に巻き込まれるという設定は珍しくありませんが、ヒュー･グラントの気弱なキャラクターが、結婚の為に悪戦苦闘するという流れは、かなり笑えますし、マフィアのメンバーも、彼らを捜査するＦＢＩも、ほとんどがおバカなキャラクターで、とにかく笑いに徹しているので、マフィアがらみの犯罪の暗さが無く、気楽に楽しめる作品になっています。主人公マイケルの婚約者ジーナのキャラクターが弱い事と、英語の発音によるユーモアが、日本人には分りにくいのが難点ですが、ヒュー･グラントの個性が好きな方にとっては、期待を裏切らない作品で、彼の代表作としてオススメできます。ヒュー･グラントのイギリス人らしいオシャレなファッションにも注目！

作品の価値は、買い手しだい

　この作品の主人公マイケルは、オークション会場で働いていて、美術品を扱う仕事だけに、こんなセリフが出てきます。美術品に限らず、物の価値は、それを持つ人間の審美眼によって価値が決まるのかもしれません。物の価値が分からない人間は、どんなに優れた作品を持っていても宝の持ち腐れになってしまうと思いますが、残念な事に、高価な美術品の多くは、美術品を鑑賞する為でなく、財テクの一種として利用されていて、本当に価値の分る人間が所有しているとは限らないんですよね・・・。

なぜイエスはマシンガンを？

　マフィアのボスの息子ジョニーが描いた油絵が、この作品の中で重要な要素になっていますが、何とも、最低最悪に悪趣味で笑わせてくれます。キリスト教の宗教画にマフィアのバイオレンスを融合させたような独創的な絵ですが、絶対に家には飾りたくないタイプですね。