１９４２年、ミシシッピー州の小さな町に住む９歳の少年ウィリーは、近所に住む有名野球選手で唯一の友人だったディンクが出征してしまい、孤独な日々を送っていたが、誕生日に母親から子犬をプレゼントされる。スキップと名づけられたその子犬とウィリーは、人間同士の友情よりも固い絆で結ばれ成長していくのだが・・・。

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　２０００年アメリカ作品。監督は、『炎のメモリアル』のジェイ・ラッセル、出演は、『リトル･ロマンス』『トスカーナの休日』のダイアン･レイン、『ＪＦＫ』『アポロ１３』のケヴィン・ベーコンなど。ウィリー･モリスの少年時代の綴った全米ベストセラー『マイ･ドッグ･スキップ』の映画化作品。幼少の頃から愛犬と友情を育んできた少年の成長を描いた感動のドラマ。

　映画用に脚色されているとはいえ、ベストセラー作家ウィリー・モリスの実体験を描いた原作が元になっているので実話ならではの感動が味わえる作品で、犬好きの人には特に魅力がある作品でしょう。しかし、人間と犬との友情を描いた感動作というだけではなく、人種差別の根強く残るアメリカ南部という土地ならではの偏見、差別に対する風刺、戦争に対する人間の感情など深いテーマも盛り込まれていて、感動できるだけでなく、人間としてのあり方を学ばせてくれる名作です。第２次世界大戦中のアメリカ南部の田舎町が舞台なので派手さはありませんが、愛犬家の方はもちろん、特に犬が好きではない方にもオススメできる名作です。

　私は愛犬家なので、主人公の気持ちに共感できる部分が多く、かなり楽しめました。犬の寿命は大体１５年なので、愛犬家のほとんどの方は愛犬との死別を経験しなければなりません。そんな当たり前の事を改めて実感させてくれる作品なので、愛犬との限りある時間を大切にしたいという気持ちにさせてくれる作品です。『名犬ラッシー』や『ベンジー』など古典的な作品は、主人公の犬が、あり得ない活躍をしすぎるので、感情移入できませんが、本作のように実話をベースにしたリアリティがあると、愛犬家としては共感できる部分も多いと思います。愛犬家の方はもちろん、これからペットとして犬を飼おうとしている方には、本当に最高の作品だと思います。

人間より話が通じる

　言葉が通じる人間同士でも理解しあえない場合が多いですが、素直で邪心のない犬なら、言葉がなくても心は通じ合えるような気がします。

色が分らないスキップは、人種を選ばず誰とでも友達になる

　『犬は人間より利口で、ずっと心が広い』なんて厳しいセリフも出てきますが、肌の色で人を差別するような人間なら、犬の方が優れているかもしれませんね。

怖かったのは死じゃない、殺す事だ

　人を殺す事が悪い事だという概念は、どこの国でも同じですが、戦争になると、兵士は人殺しを命令されて義務になります。罪悪感も無く、平気で人を殺せるようになるなんて、恐ろしい事ですね。

ドイツ軍にも神が？

　ウィリーの同級生の子供たちは、自分の国にだけ神様がいると思っています。敵国でであるドイツ人にも神様がいると聞いて驚きますが、どこの国かが問題ではなく、その人の生き方によって神様は必要な物を与えてくれるような気がします。平気で人殺しをするような人間、人の命を軽く見るような指導者には、悪魔からの恩恵があるんでしょうかね。

 

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