1980年アメリカ作品。監督は、『ディパーテッド』『最後の誘惑』のマーティン・スコセッシ、主演は、『ディア・ハンター』『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』のロバート・デ・ニーロ。実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの波乱万丈の人生を描いた伝記映画。
ロバート・デ・ニーロの徹底した役作りが伝説として語り継がれるようになった作品です。この作品で彼は、現役ボクサーの頃と、引退してから激太りした体型を特殊メイク無しで自身の体型をコントロールして撮影しています。ミドル級ボクサーとしての引き締まった体型から、引退後にブヨブヨに太った体型の変化には本当に驚かされます。ジェイク・ラモッタというボクサーの波乱万丈の人生、世界チャンピオンに上り詰めてから、タイトルを失いナイトクラブの経営者として、自らコメディアンの仕事をするまでが描かれていますが、才能がありながら、自らの堕落によって転落して行く姿には感動できる要素は少なく、とにかくロバート・デ・ニーロの演技を楽しむという気持ちで鑑賞した方がいいでしょう。マーティン・スコセッシ監督は、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシという名優の才能を十分に引き出し、時代背景も丁寧に描いていますが、伝記映画としては、ストーリーに魅力が感じられません。ロバート・デ・ニーロのファンにはオススメです。
きっと身から出たサビなんだろう
ジェイク・ラモッタに関しては、この言葉に尽きると思います。才能があるにも関わらず、堕落してタイトルを失い。異常に強い嫉妬心で自分の弟さえ信用できない人間性によって家族も失ってしまいます。あまり魅力的な人物ではありませんね。
私は目が見えなかったが、今は見えるという事です
聖書のヨハネ福音書:9章:24〜26節がエンディングで引用されています。この節では、イエス・キリストによって目が見えるようになった盲人の証言が記されていますが、ジェイク・ラモッタにふさわしい言葉なのかどうかは微妙です。作品に重みを持たせる為にムリに引用しているような気もします。