2011年、208分アメリカ作品。監督は、『ラストワルツ』『沈黙 -サイレンス-』
のマーティン・スコセッシ。出演は、ミュージシャンのジョージ・ハリスン、エリック・クラプトンなど。ビートルズのメンバーとしてもソロミュージシャンとしても活躍したジョージ・ハリスンの伝記映画。
アカデミー賞受賞監督として有名なマーティンス・コセッシ監督は、ザ・バンドの解散コンサートのドキュメンタリー映画を監督するなどロック通で、ロック映画を撮らせても最高の監督です。本作でもロックミュージシャンの魅力を十分に描きながらも、観客に啓発を与える感動作品に仕上げています。208分という長い映画ですが、もっと観たいと思わせるほど充実した内容でビートルズを知らないロックファンにも十分に楽しめる音楽作品だと思いますし、今人生に行き詰っていて悩んでいる人にも癒しと希望に満ちたヒントを与えてくれる名作だと思います。ビートルズファン、ロックファンは勿論ですが、お涙頂戴のメロドラマではなく、生きる指針となるような大きな感動を求めている人にもオススメできるドキュメンタリー作品です。
うーん、コレはビートルズファンにとってはヤバイ映画ですね。ジョージ・ハリスンのドキュメンタリーなので当然ビートルズのメンバーとしての演奏シーンなども多く、映画を観ながら一緒に歌ったりギターを弾きだしたりしてしまいます。ビートルズファンならかなり興奮します。私はビートルズマニアというほどではありませんが、この作品のビートルズの演奏シーンでは、かなり興奮しました。作品の前半はビートルズ結成の流れなどをポール・マッカートニーがインタビューで語り、ビートルズのエピソードも満載なのでビートルズファンにはたまらない魅力があると思います。ビートルズとしてデビューする前の貴重な写真や映像も楽しむ事ができます。デビュー前のビートルズのメンバーがガンズ・アンド・ローゼズのようにウエスタンブーツにレザージャケットのファッションというのはビートルズファンにとっては衝撃かもしれません。そして、ビートルズの人気絶頂期から解散までのエピソード、親友エリック・クラプトンとの関係、ミュージシャンとしての行き方だけでなく宗教的な求道者としての生き方まで描かれています。なにより感動的ななのは、ジョージ・ハリスンという人間の優しさが、しっかり描かれている点かもしれません。往年のロックファン、ビートルズファンにとっても新しい発見が満載のロックムービーであり、感動と啓発を与えてくれるドラマとしても楽しめる名作です。
ビートルズの4人のメンバーはそれぞれ個性的で才能に溢れルックスも魅力的なので、好みが極端に分かれる傾向があります。私の友人の中にもポールこそがビートルズと主張する人もいれば、ジョンの才能が一番と考える人もいます。才能は甲乙つけがたいと思いますが、この映画を観て個人的に感じたのは、友達として付き合うなら、多分ジョージが一番付き合いやすいんだろうなという事です。この映画で使用されているジョージが作曲した名曲の数々には改めて感心してしまい、音楽的な才能に関してもポール、ジョンにひけを取らないと思いますが。寛大でユーモアに溢れる人間的な魅力、真理を見抜く洞察力、真理にそって生きる生き方などには本当に驚かされます。私も残りの人生はできるだけジョージのように生きたいですね。
全ての物事に終わりがある。いつかは過ぎ去ってしまう
ジョージ・ハリスンの代表曲『オール・シングス・マスト・パス』の歌詞ですが、これはいわゆる仏教で言う所の諸行無常という事でしょうね。富を手に入れても、名声を得ても、やがて全ては過ぎ去ってしまう。すべては虚しい。これも真理ですね。
音(サウンド)は神なのです。真の良き音楽であれば・・・
良き音楽が神であるなら、良き音楽を作り演奏するミュージシャンは神の使者、あるいは神様の道具なのかもしれませんね。良い音楽は心に平安を与え私達に幸福感を与えてくれます。
創造されたもの全てが神の一部です
私達が目にする全てが神の一部だと考えれば、差別や憎悪などの悪感情によるトラブルのほとんどが防げるかもしれませんね。これも真理の一つでしょう。
万物が神だから、イエスへの聖心を強めることになる
ジョージが両親に宛てた手紙の言葉ですが、ちょっと驚きですね。仏教的な価値観に真理を見出していたジョージもキリストの存在を信じてイエスへの聖心を強めていたんですね。
他の人を無条件に愛することが、神を愛することになります。
神は愛であるという聖書の言葉がありますが、見返りを求めない無償の愛こそが、神を愛することになるんでしょうね。コレができれば悟りの境地と言えるかもしれません。そんな風に生きることができれば最高だと思います。