ウィッシュボーン・アッシュを知りたければコレだ！

１９７１年発売のウィッシュボーン・アッシュのセカンドアルバム。インストルメンタルナンバーが多く、一般的に、名盤『アーガス』に比べて評価が低いようですが、季節感の感じられる個性的なサウンドにはキレがあり、これぞウィッシュボーン・アッシュと言える秀作が多く、ヒプノシスのデザインしたアルバムジャケットも、このアルバムの内容をそのまま画像化したような美しいジャケットで、ブリティッシュロックのファンには絶対に外せない1枚だと思います。

　1曲目『よみの国へ』から、スティーブ・アプトンのジャズ手癖丸出しの激しいドラム、プログレバンドのようなテクニカルな演奏、スキャットヴォーカルが強烈なインパクトを与えてくれますが、このアルバムの魅力は、何と言ってもイギリスのバンドらしい寒々しい季節感と悲壮感でしょう。黄泉の国でもいざなわれそうな『巡礼』、立ち直れなくなるぐらい悲しいバラード『告別』などは、ウィッシュボーン・アッシュでしか絶対に作れない名曲でしょう。そして、オールマン・ブラザーズ・バンドを意識したようなライブの名演『明日はいずこへ』では、テッド・ターナーとアンディ・パウエルの超攻撃的なギターが堪能できます。名盤『アーガス』と比べるとヴォーカルが少なく、ライブテイクが収録されてアルバムとしての統一感に欠けるという評価を受けてしまっているようですが、この寒々しい雰囲気は、他のどのアルバムより、ウィッシュボーン・アッシュの個性を感じさせてくれると思います。

 

紙ジャケットシリーズあり！

　リマスター音源にボーナストラックを追加した紙ジャケットシリーズが発売されています。このアルバムのリマスター音源は、かなり音質が向上していて、ドラムやギターの音のエッジがクリアになり、アナログ盤から聴いていたファンにとっては、嬉しいアイテムです。ヒプノシスがデザインしたアルバムジャケットも本当に美しい！このアルバムジャケットは、ピンク・フロイドの『狂気』や、レッド・ツェッペリンの『聖なる館』と並んで、ジャケットアートの最高峰ではないでしょうか。

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