フォークロックの神様
1941年生まれ、アメリカ出身のアーティスト。シンガー、作曲家、詩人、俳優として活躍、フォークロックの神様と呼ばれ、その影響力は、ロック、フォークなどの音楽だけでなく、社会的な思想にまで多大な影響を与え、もはや神格化された存在です。
アコースティックギターとハーモニカでフォークアーティストとしてデビューし、その哲学的な歌詞によって学生を中心に圧倒的な支持を得るようになり、ビートルズ、ローリング・ストーンズなどとの交流の影響で、アコースティックギターでの弾き語りというスタイルから脱却し、エレクトリックギターを演奏し、バンドを率いて演奏活動するようになると、デビュー当時のフォークのファンからバッシングを受けてしまいますが、哲学的な歌詞や、ヴォーカルスタイルは一貫して変わらず、唯一絶対的な存在感のあるアーティストです。
ボブ・ディランの歌詞は、60年代の反戦運動などの象徴として受け止められる傾向がありましたが、ボブ・ディラン本人は、そういう解釈に迷惑していたようです。彼の名盤『欲望』には、冤罪によって逮捕されたボクサーについて歌った『ハリケーン』なども収録されていますし、社会運動に対して無関心だったわけではありませんが、彼の歌詞の多くは、政治や思想といったレベルではなく、哲学的な作家が書くような、もっと根源的な真理についてのテーマが多く、60年代に反戦運動のリーダーのような扱いには、ウンザリするのは当然かもしれません。
アコースティックギターをエレクトリックギターに変えて活動するようになってから、ボブ・ディランのバックバンドとして活動していたのがザ・バンド。後に、バック・バンドから独立して、伝説的なアメリカンロックのバンドになりますが、フォークソングやブルースなどの音楽を、アメリカ人特有の大陸的で牧歌的な演奏は、ボブ・ディランの音楽に一番理想的なバンドだったと思います。後に、トム・ペティ&ハートブレイカーズをバックバンドに来日公演も行っていますが、やはり、ボブ・ディランと言えばザ・バンド!と考えるロックファンも多いのではないでしょうか?
トム・ぺティ&ハートブレイカーズが、ボブ・ディランのバックバンドを努め、親交を深めた縁もあって、ボブ・ディラン、トム・ペティ、ジョージ・ハリスン、ロイ・オービソン、ジェフ・リン(ELO)によるトラヴェリング・ウィルベリーズというバンドを結成した事がありました。仲のいい友達同士で遊んでいるようなリラックスした雰囲気のアルバムを発表し、ファンを喜ばせてくれました。遊びでは無いんでしょうが、一時期、俳優として映画にも出演していました。俳優業に関しての評価は???で、ザ・バンドのデビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』のアルバムジャケット用に絵も描いていますが、こっちはもっと??????ですね。
あまりにも有名な曲なので、若いロックファンの方でも一度は聴いたことがあると思いますが、『天国の扉』という曲は、ボブ・ディランの曲です。今まで、エリック・クラプトン、ガンズ・アンド・ローゼズ、ボブ・マーリー、、ロジャー・ウォーターズ、アヴリル・ラヴィーンなどがカヴァーで演奏し、韓国映画『僕の彼女を紹介します』でもカヴァー曲が使用されています。この曲に限った事ではありませんが、ボブ・ディランの曲は、人生の意味について答えが欲しいようなとき、真理を知りたいときに、誰よりも明確な答えを与えてくれます。