最も過小評価されているギタリストにランクイン
スティービー・ニックスと組んでいたバッキンガム・ニックスというユニットで1973年にアルバム『バッキンガム・ニックス』でレコードデビュー。カントリーをベースにした秀作ですが、ヒットアルバムにはなりませんでした。スティービー・ニックスとは同じ高校の出身で、公私共にパートナーとして付き合っていたようです。
1975年、フリートウッド・マックのオーディションに合格して、スティービー・ニックスとともにフリートウッド・マックのメンバーとなったことで、才能が開花、ギタリスト、作曲家、ヴォーカリストとして、バンドの中心的な存在になり、フリートウッドマックの大成功に貢献しました。フリートウッド・マックで活動中に、恋人だったスティービー・ニックスと破局。スティービー・ニックスとは険悪な仲になってしまいますが、アルバム『タンゴ・イン・ザ・ナイト』まで、フリートウッド・マックのメンバーとして活躍します。フリートウッド・マックではリンジー・バッキンガムの他にスティービー・ニックス、クリスティン・マクヴィーという2人のソングライターがいた為、アルバムに収録できる曲も3分の1。リンジー・バッキンガムは、フリートウッド・マックでは出し切れなかった才能を、ソロアルバムで発表し、ソロアーティストとして高い評価を得ます。アルバムセールスは、フリートウッド・マックに比べると成功と呼べるほどの売り上げにはなりませんでしたが、特に、フリートウッド・マック脱退後に発表した『アウト・オブ・クレイドル』は隠れた名盤として高い評価を得ています。
2007年ローリング・ストーン誌の特集記事『歴史上最も過小評価されている25人のギタリスト』で第7位にランクインしました。このランク自体、名誉なことなのかどうか微妙ですが、カントリースタイルのスリーフィンガーを使ったフレーズは、ギターピックを使ったプレイでは絶対にマネできないフレーズが多く、ロック系のほとんどのギタリストがピックを使うのに比べて、ピッキングをすべて指でするプレイスタイルは個性的で、ピックを使ったプレイでは不可能なニュアンス、多彩な表現力は、リンジー・バッキンガムの最も個性的な奏法だと思います。ライブの演奏などを観ると、まるでギターの弦にデコピンでもするように指でピッキングする奏法には驚かされます。また、パフォーマンスも独特で、演劇俳優にもなれたんじゃないかと思うほど芸達者なパフォーマンスをライブ、PVで見せてくれます。
険悪だったスティービー・ニックスとも和解し、フリートウッド・マックのメンバーとして復帰、またソロアーティストとしてもアルバムを発表して活躍しています。