レインボー最後の名盤

１９８２年発表、レインボーの６枚目のスタジオレコーディングアルバム。ヴォーカルがジョー・リン・ターナー、ドラムにボビー・ロンディネリ、キーボードにデイヴ・ローゼンサル、ベースがロジャー・グローバー、そして、ギタリストはリッチー先生というメンバーレコーディングされています。本作でもアメリカ受けを狙ったポップ路線はそのままですが、完成度の高い秀作に仕上がっています。このアルバム発売後に行われた日本公演でも、アルバム収録曲のほとんどが演奏されていました。レインボー後期のライブの定番となる『デス・アリー・ドライバー』『パワー』などを収録しています。

　このアルバムもデビュー当時からのへヴィなーサウンドが好きなレインボーファンにとってはポップ過ぎて不満の多いアルバムだと思いますが、『バビロンの城門』以降のアメリカでのヒットを狙った路線に変更してからのアルバムでは、『ダウン・トゥ・アース』に次いで完成度の高いアルバムだと思います。コージー･パウエルのファンは不満かもしれませんが、このアルバムに参加しているドラマーのボビー・ロンディネリは、しっかりとしたテクニックがありパワフルで、センスのいいアレンジで曲の完成度を高める事に貢献しています。コージーに比べれば野性味はありませんが、ライブでも安定しているし、コージーより曲に対するアプローチ、センスは上でしょう。演奏力を犠牲にせずポップに仕上げた楽曲が多い事が評価できるアルバムなのでプレイヤーでもポップな曲が好きなロックファンでも楽しめるアルバムとしてオススメできます。

　まだ１０代の頃に、このメンバーでの来日公演を観た事があります。ボビー・ロンディネリはコージー・パウエルほどの存在感はありませんでしたが、洗練されたプレイが得意なのにドラムソロでは素手で叩くなどファンサービスも旺盛でした。このアルバムの発売直後の来日公演だった事もあるでしょうけれど、本作から『デス・アリー・ドライバー』『ストーン・コールド』『ブリング・オン・ザ・ナイト』『パワー』『ミス・ミストゥリーテッド』『ロックフィーバー』と私の記憶が確かなら、少なくとも６曲はレパートリーに入っていたと思います。ライブでも盛り上がっていました。

 

　  　

■　パワー 　■

　リッチーのファンの皆さんは、この曲を聴いて歓喜したんじゃないでしょうか？そうそう、リッチーと言えばシンプルで覚えやすくかっこいいギターリフを創る天才ですから。久しぶりにギターリフの名曲に出会えたと感じたロックファンも多いはず。

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アルバムタイトル秘話

　　このアルバムのタイトル『Straight Between the Eyes』という言葉は、ジェフ・ベックがロンドンの酒場でリッチーと話していた時に、ジミ・ヘンドリックスのプレイを評した言葉だそうです。まぁ、ジミのプレイがあまりに凄くて『もうぶっ飛びだぜ』みたいな感じで言ったみたいですが、こんな所にもジミ・ヘンドリックスの影響が出ているのは面白いと思います。この頃は、ジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアだけでなくエリック･クラプトンやピート・タンジェントなどもギタリストとしての自信を無くすほど、ジミ・ヘンドリックスのプレイにショックを受けていたそうです。

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