アメリカ市場向け戦略の失敗

１９７８年発表、レインボーの３枚目のスタジオレコーディングアルバム。ヴォーカリストのロニー・ジェイムス・ディオ、ドラムにコージー･パウエル、そして、ギタリストはリッチーという３人のメンバーが中心となってレインボーのイメージが定着、『ロング・リブ・ロックンロール』『キル・ザ・キング』『バビロンの城門』などを収録。このアルバムを最後にレインボーのデビュー当時から在籍したヴォーカリストのロニー・ジェイムス・ディオが脱退。このアルバムがロニーのレインボーでの最後にアルバムになりました。

　レインボーの代表曲でありロックスタンダードとしても有名な『ロング・リヴ・ロックン・ロール』『キル・ザ・キング』、更に中近東的な雰囲気を持つ大作『バビロンの城門 』も収録していますが、アメリカでのヒットを狙って中途半端にポップな曲を収録してしまった為にハードロックファンには、名盤と呼ぶにはイマイチと評価される事も多いようです。特に、モロにアメリカマーケットを意識した『L.A.コネクション』では、若者向けというか軽いヴォーカルで、ロニーらしくも無いヴォーカルでがっかりしたりしたファンも多いんじゃないでしょうか。と言うか、歌っているロニー自身もストレスが溜まったと思います。実際このアルバムの後に脱退していますし・・・。アメリカマーケットを意識した割にはエンディングのバラード『レインボー・アイズ』の出来もイマイチ、ハッキリ言って『キャッチ・ザ・レインボー』そっくりだし、本当にヒット曲を狙っているのかどうかよく分からない中途半端でスッキリしないアルバム構成なのが残念です。『ロング・リヴ・ロックン・ロール』『キル・ザ・キング』『バビロンの城門 』と名曲が３曲収録されているんですから、他が駄作ばかりでも買う価値はありと割り切るといいでしょう。

　高校生の頃はレインボーの大ファンだったので、このアルバムも持っていましたが、当時、アメリカではヒットせず、ある音楽評論家が、『王様を殺せ！なんて歌詞の曲がアメリカでヒットするわけ無い！』と酷評していて苦笑したのを覚えいています。考えてみれば、ポップなメロディを作るのも大事ですけど、歌詞も大切ですよね。まぁ、私はＣＤなら簡単に曲を飛ばせるので、持っていますけど、誰にでもススメられる名盤とは言い辛いですね。結局、アメリカではヒットせず、ロニー・ジェイムス・ディオが脱退してしまうキッカケを作ってしまったアルバムです。

 

　  　

■　バビロンの城門 　■

　この曲はクセのある曲ですが、これぞレインボーという感じで、中近東的な雰囲気を生かして個性的なギターリフとパワフルなヴォーカル、ドラムでうまくまとまっている名曲だと思います。しかし、この曲、プロモーションビデオがあるんですが、まさか、シングルヒット狙ってたんでしょうか？この曲で？絶対無理だと思いますけど・・・。

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映画『ロックスター』でも！

　　このアルバムの１曲目、アルバムのタイトル曲でもある『ロング・リヴ・ロックン・ロール』は映画『ロックスター』でも使用されています。ハードロック、ヘヴィメタルのファンの間では、レインボーの大ヒット曲というだけでなく、ハードロックのスタンダードになっているようです。

 

 

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