ヘヴィメタル界の悲劇の貴公子
アメリカ、カリフォルニア州出身のギタリスト。1975年、クワイエット・ライオットというバンドでデビューし、1979年、ブラック・サバスを脱退し、ソロアーティストとして活動を開始したオジー・オズボーンのバンドに参加して、一躍有名になりました。オジー・オズボーンのバンドでは、ギタリストとしてだけでなく、優秀な作曲家としてもバンドに貢献し、ランディ・ローズがいなければ、今のオジー・オズボーンの地位はなかったと思います。『ブリザード・オブ・オズ』『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』の2枚のアルバムを残して他界してしまいましたが、今でもヘヴィメタル系のギタリストには支持者が多く、トリビュート・アルバムも発売されています。
1982年オジー・オズボーンのアメリカツアー中、オフのときに、ツアークルーたちと、セスナ機の遊覧を楽しんでいるときに、低空飛行をしすぎたセスナ機が、地上の車に接触、セスナ機は墜落、大破し、ランディ・ローズと同乗していたスタッフが死亡してしまいました。よりによって飛行機事故、しかも移動中の飛行機ではなく、遊びで乗っていたセスナ機が墜落・・・。本当に可哀想というか、悲劇としか言いようがありません。ルックス的には文句の無い美青年、プライベートでも、バンドのメンバーたちに慕われている好青年で、かなりのナイスガイだったようです。近年、ニコラス・ケイジ主演の『ゴースト・ライダー』という映画でも『ブリザード・オブ・オズ』に収録されている『クレイジー・トレイン』が使用されるなど、アメリカでもランディ・ローズの人気は衰えていないようです。
あんなにヘタな奴いねーだろ?
私も若い頃ハードロック系のバンドをやっていたのですが、『一番好きなギタリストは?』という質問に、ランディ・ローズという答えが一番多く、アマチュアのハードロック系のギタリストに最も人気があったのが、ランディ・ローズでした。私はドラムだったので、ギタリストの事には、それ程詳しくなかったのですが、最近、遊びでギターを弾くようになって、彼の人気が理由が分るようになりました。私の友人のギタリストが、やはりランディ・ローズのファンで、ランディ・ローズを評して『あんなヘタな奴いねーだろ』と言っていたのが忘れられません。実際にランディ・ローズのプレイをマネして弾いてみると、結構弾けてしまいます。テクニック的には、エディ・ヴァン・ヘイレンなどには、かなわないと思いますし、同じ時期に活躍していた、TOTOのスティーブ・ルカサーや、ジャーニーのニール・ショーンなどのギタリストの方が、上だと思いますが、リフやバッキングの組み立て、ギターソロのメロディの作りかたなどは、本当にセンスが良く、聴いていても、ギターでマネしても本当に気持ちいい!
クラッシックギターを学んでいた事もあり、速弾きだけのヘヴィメタルのギタリストは違い、独自のメロディセンスがあり、明るく乾いたアメリカ的なサウンドだけでなく、クラッシクの要素をロックに取り込む段階で生じる、微妙なねじれ、歪みが神秘的な雰囲気を生み出しています。テクニック的には、速いフレーズでハンマリング、タッピングを使うことも多く、最近のギタリストと比べると厳しいですが、バッキングの合間に入れるフレーズは、超攻撃的で、聴いている方も興奮してきます。エディ・ヴァン・ヘイレンが遊び心溢れるユーモアに満ちたフレーズを入れるのとは対照的です。
カッコだけでもマネしたいというファンの欲求からか、ランディ・ローズ・モデルのギターは、今でも人気があり、中古商品でも、高価な値段になっています。一番有名なのが、黒地に白の水玉模様のフライングV、このギターは、カスタムメイドのギターらしいので、全く同じ材質、音質のギターは入手不可能ですが、デザインだけをマネているモデルは、色々なメーカーから発売されているようです。次に有名なのが、ランディ・ローズがメインに使っていたギブソン・レス・ポール・カスタムのホワイトカラー。このモデルも、国内メーカーを中心にコピーモデルが発売されていて、エピフォン製のレスポールなどをカスタマイズすれば、ランディ・ローズ風のギターとして十分に楽しめるでしょう。ランディ・ローズ・モデルの中では、最もベーシックなスタイルなので、一番人気のあるデザインのギターでしょう。サブとして使用していたのが、最も個性的なデザインのジャクソン社のランディVと呼ばれるギターで、フライングVのデザインを元に、片方が短くデザインされたフライングV。こちらは、ジャクソン製のモデルが現在も発売されています。
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