スティーリー・ダンの頭脳
1948年生まれ、アメリカ出身。スティーリー・ダンのヴォーカリスト、キーボディストとして有名ですが、元々は作曲家を志していた為、スティーリー・ダンのリードヴォーリストとして知られていますが、実は、歌うのがあまり好きではないようです。また、作曲、レコーディングをメインに音楽活動を続けるスタイルで、ライブ演奏が嫌いなミュージシャンとしても有名です。
ウォルター・ベッカーとコンビで作曲、アレンジを手がけ、スティーリー・ダンとして、世界的に有名なアーティストとなりましたが、名盤『ガウチョ』を発表後、パートナーの、ウォルター・ベッカーが麻薬中毒による体調不良の為、活動が休止してしまいます。その後、ソロ・アルバム『ナイトフライ』を発表、シングルカットされた『ニュー・フロンティアー』が大ヒットして、アルバムもグラミー賞の最優秀アルバム賞にノミネートされます。スティーリー・ダンの活動を心待ちにしていたファンにとっては、ドナルド・フェイゲンの傑作ソロアルバムは、嬉しい驚きだったと思います。スティーリー・ダンと互角か、それ以上の素晴らしいアルバムを発表してしまったので、ソロ活動を続けるのかと思われましたが、2000年ウォルター・ベッカーとともにスティーリー・ダンとしてアルバム『トぅー・アゲインスト・ザ・ネイチャー』を発表、苦手だったライブ活動もコンスタントにこなし、2003年には『エヴリシング・マスト・ゴー』という名盤も発表しています。ソロ・アーティストとしてもアルバムを3枚発表していて、スティーリー・ダンとソロ・アーティストとしての活動を平行して行っています。
極端な完ぺき主義者で、スティーリー・ダン、ソロ、どちらのアルバムでも、演奏、アレンジ共に非常に完成度が高く、ライブの演奏でも、限りなくスタジオ録音に近い演奏を聴かせてくれます。ロックのジャンルで知られていますが、そのセンスは限りなく洗練されたジャズに近く、また、作曲家としては、映画音楽で有名なヘンリー・マンシーにや、エンニオ・モリコーネなどクラッシックの才能のある音楽家を敬愛しているようです。どうせなら、映画音楽を担当したドナルド・フェイゲンの音楽も聴いてみたいものです。