2005年日本映画。監督は、『永遠の0』の山崎貴。出演は、『クライマーズ・ハイ』の堤真一、『ねらわれた学園』の薬師丸博子、『ゴールデン・スランバー』の吉岡秀隆、『ラスト・サムライ』の小雪など。昭和30年代の東京の下町を舞台とし、夕日町三丁目に暮らす人々の暖かな交流を描く人間ドラマ。
第29回日本アカデミー賞の12部門で優秀賞を受賞したのをはじめとして、数々の映画賞を受賞。日本映画史に残る名作です。実力派俳優を適材適所で起用し、昭和30年代という古い時代設定を忠実に再現、その時代を生きた人たちが楽しめるだけでなく、若い世代の人にも楽しめる感動作になっています。構想の段階で人情味のある作品を現代の設定で描くと、どうしても照れが出るからという理由で昭和30年代という設定にしたそうですが、心が乾いたいる現代人に受け入れられて大ヒット。現代人の大多数が人情に飢えている事の証明のような気がします。東京を舞台にしているので人が多いですが、主人公たちの背景に写りこむエキストラ的な人々も自然で、そういう細かいところまで完成度の高い作品になっています。とにかく日本人なら絶対に観るべき作品だと思います。昭和の時代を生きてきた人なら山田洋二監督の『男はつらいよ』シリーズで人情味溢れる作品を楽しんできたと思いますが、最近の若い世代の方は、こういう人情味のある人間ドラマを楽しむ機会が減っていると思います。年配の方にも、若い方にも是非観ていただきたい作品です。何の文句も無い名作です。
私は1965年生まれ、もうジジィですが、この映画の舞台になっている昭和30年代には、まだ生まれていません。戦後の復興の苦労話がでてくるくらいなので、私の親が子供の頃の時代の物語です。そう考えると、この作品の時代背景を経験している観客の方が少ないくらいかもしれません。こういう時代を経験している人は、近所付き合いが家族のように親密で、子供たちが生き生きとしていた時代を実際に経験しているのですから、ある意味では幸せだと思います。私も、子供の頃は、友達の家に上がりこんでは夕飯をご馳走になったりすることがよくありました。(家のご飯よりおいしかったりして・・・) 今では、なかなかこういう人間関係は難しい時代になっています。だからこし、こういうテーマの作品が大多数の人に受け入れられん打と思います。他人であっても家族、親戚のように本気付き合える人間関係って理想的だと思います。映画で人情を楽しむだけでなく、実生活でも互いに家族のような人間関係を築けいるといいですね。
お前とは他人なんだぞ、縁もゆかりも無いんだぞ
家族だって元々は他人です。他人と結婚して夫婦生活がはじまり、子供を作って家族が増えていきます。自分には関係の無い他人と思っていた人が、後々、自分の人生に大きな影響を及ぼしたり、助けになってくれたりする事も少なくありません。そう考えると、他人に対しても親切に、寛大に対応できるかもしれません。血縁にはなれなくても家族のように親しくなれるかもしれないんですから。
まぁ、大したことじゃねえか、元の俺に戻っただけだよ
自分にとって一番大切な人を失ってしまったら?その喪失感の大きさに力が抜けて動けなくなったり暴れたり、あるいは、こおなセリフをつぶやいて無理に諦めようと自分を納得させるしかないでしょうね。こういう風に考えないと生きていけなくなります。