1996年アメリカ作品。監督は、『ウォーリアーズ』『48時間』のウォルター・ヒル。出演は、『ダイ・ハード』『ティアーズ・オブ・サン』のブルース・ウィリス、『ディア・ハンター』『ブレイン・ストーム』のクリストファー・ウォーケンなど。黒澤明監督の名作『用心棒』をアメリカを舞台にリメイクしたバイオレンスアクション作品。
三船敏郎さんが主演した名作『用心棒』をアクション作品では定評のあるウォルター・ヒルが監督。主演にブルース・ウィリスの抜擢は妥当だと思いますが、重要な脇役にクリストファー・ウォーケンを起用したあたりはさすがです。オリジナル作品では、主人公に敵対するハンサムな優男を、クリストファー・ウォーケン演じる冷酷無比な残虐性が顔にも表れているキャラクターに変えてあり、このキャスティングが強烈です。ブルース・ウィリスの存在感は圧倒的ですが、クリストファー・ウォーケンの存在感も凄いです。ウォルター・ヒル監督らしい男臭いバイオレンスアクションに仕上げてあるので、ウォルター・ヒル監督のファンなら期待通りといったところですが、オリジナル作品『用心棒』に比べると人情味に欠けるので、感動作というより飽くまでアクション作品として楽しむ事を前提に鑑賞した方がいいでしょう。
色々と興味深い作品です。オリジナル作品『用心棒』は日本の時代劇なのでチャンバラですが、本作では、ガンファイトを中心にアクションが楽しめますし、ブルース・ウィリスとクリストファー・ウォーケンの凄味は、本当にゾクゾクします。『用心棒』では、三船敏郎さんが演じる三十朗のお人よしぶりに人情味があり、ホロッとさせるストーリーになっていますが、本作では、娯楽性を重視して人情の部分が弱く泣けるような場面はありません。ですが、深い洞察力による人生観が感じられるセリフが多く、娯楽性と哲学感がバランス良く取り入れられた作品だと思います。個人的には大好きな作品です。
自ら招いた災いかも
この作品の登場人物だけでなく、私たちのほとんどが自分の行動の報いとしてトラブルを招いているようなきがします。人のせいにするのは簡単ですが、どうしてトラブルが起きたのか自分の行動を思い出して謙虚に反省したほうがいいかもしれませんね。
みんな何かから逃げてるさ
そうなんですよね。ほとんどの人は、それぞれに悩みを抱えていて、仕事に集中したり、趣味に没頭したりして嫌な事、考えたくない現実から逃げているんですよ。きっと。