2001年アメリカ作品。監督は、『ラブリーボーン』のピーター・ジャクソン、出演は、『僕の大事なコレクション』のイライジャ・ウッド、『インディアン・ランナー』のヴィゴ・モーテンセン、『アルマゲドン』のリヴ・タイラー、『バベル』のケイト・ブランシェット、『エリザベス・タウン』のオーランド・ブルーム、『ダ・ヴィンチ・コード』のイアン・マッケラン
など。 J.R.R.トールキン原作の『指輪物語』を映画化。世界を支配する事ができるという指輪を巡っての争いと、平和の為に戦う人間、妖精、魔法使いたちの姿を描いた感動作。
J・R・R・トールキン原作の世界的なベストセラー『指輪物語』を映画化。3部作として製作された1作目です。長編小説の映画化ですが、シリーズ3作品でトータル10時間にも及ぶ超大作というスケールの大きな作品ですが、適材適所のキャスティング、ファンタジー映画らしいイマジネーション豊かな映像、そして、感動の物語と、どれを取っても最高の作品です。本作は、主要登場人物の紹介と、これから旅がはじまるという物語の導入部分的な要素が強いため、本格的なストーリーの盛り上がりはありませんが、主要登場人物の個性、ホビット村や、エルフの国の美しい映像が楽しめますし、次回作への期待をふくらませてくれる秀作になっています。同時期に『マトリックス』『パイレーツ・オブ・カリビアン』など超大作のシリーズも大ヒットしたしましたが、勇気と感動を与えてくれると言う意味では、最高の作品で、人間社会への警告という深いテーマも内包した作品なので、虚栄心の強い政治家の皆さんにも観ていただきたい作品です。
公開前から話題になり日本でも大ヒットしましたが、知り合いの一人に『え?面白かったぁ』と言われて返答に困ってしまいました。登場人物の紹介など序章という意味合いの強い作品なので、本作だけを観ても評価しづらいと思いますが、イマジネーション豊かな美しい映像には癒されますし、芸術的な映像美だけでも、かなり楽しめると思います。映像美だとかに興味の無い方にとっては、不満が残るのかもしれませんが・・・。
何よりも権力を欲する種族
人間についての、こんな批評が出てきますが、当たっているだけに怖い感じがします。現代社会でも、人間のこんな傾向は変わりが無く、むしろエスカレートしているような気がします。『邪悪な残忍さと、全生物への支配欲』というセリフも、人間の本性を見事に言い表しているような気がします。
堕落の道をたどるのが人間の心というもの
国を支配するような立場の人間の堕落は、嫌というほど見てきましたが、庶民レベルで考えても財産や権力を手中にして堕落する人間は多いような気がします。人の為に生きたい、世の中を良くしたいという志を持っていた人が堕落する姿には、本当に失望させられます。