クラッシックロックの名曲を満載！

　今は亡きヒース･レジャー主演の映画『ロック･ユー！』のサウンドトラックアルバム。中世の騎士を主人公にした作品ですが、７０年代のロックの名曲がＢＧＭに使われています。クイーン、デヴィッド･ボウイ、エリック・クラプトン、バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ、シン･リジィ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ハート、ウォーなどの名曲を収録。

　オープニングの『ロック･ユー』の歌詞が、この作品のコンセプトになっていますが、中世の時代を描いた作品なのに、驚くほどクラシックロックの名曲が映像にピッタリとマッチしていて、映画を明るく快活なものにしています。収録曲も豪華で、邦題にもなっているクイーンの名曲『ロック･ユー』『ウイ･アー･ザ･チャンピオン』をはじめ各アーティストの代表曲ばかりを収録。特に嬉しいのは、フットボールをテーマにしている映画では、必ずと言っていいほどＢＧＭに使用されているバックマン･ターナー・オーヴァードライブの『テイキン･ケア･ビジネス』が収録されている事。ＢＴＯのアルバムは国内盤では入手不可ですし、この曲だけ聴きたい！というロックファンにとっては、ＢＴＯのオリジナル盤を輸入盤で探す手間も省けます。また、『ウッドストック』の名演で有名なスライ&ザ・ファミリー・ストーンの『アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイアー』が収録されているのもありがたいです。ファンクバンドの元祖のような偉大なバンドですが、かなりクセの強いバンドなのでオリジナル盤の購入をためらってしまうロックファンにとっては、この曲が収録されているのもラッキーでしょう。映画のオープニングを飾る『ロック･ユー』はクイーンのオリジナルですが、エンディングで使用されている『ウイ･アー･ザ･チャンピオン』はクイーンのオリジナルではなく、ロビー・ウィリアムス＋クィーンのバージョンです。また、レッド・ツェッペリンの名曲『ランブル･オン』がオリジナルではなく、トレインのカヴァーで収録されていますが、輸入版には収録されていません。映画『ロック･ユー！』のファンはもちろん、上質のサウンドトラックとして楽しめますし、クラシックロックファンにとってはありがたいオムニバス盤として楽しめるでしょう。

　映画のサウンドトラックアルバムの楽しみは、映画の名シーンを音楽で思い出せるという点ですが、映画『ロック･ユー！』は、映像とロックの名曲をうまくマッチさせていたので、クラッシクロックを楽しめるだけでなく、ロックの名曲に新たな映像イメージを加えてくれたという意味でも価値のさる作品だと思います。下層階級から這い上がろうとする強い意志をイメージしたクイーンの『ロック･ユー』、故郷に錦を飾るべく凱旋する主人公の姿に重ねたシン･リジィの『奴らは町へ』などは特に印象に残ります。この映画のファンなら絶対に必要なサウンドトラックです。まぁ、クラッシクロックの名曲ばかりを収録しているので、古臭いなと感じる人には向かないとは思いますが・・・。

　  　

■　テイキン・ケア・オブ・ビジネス　■

　バックマン・ターナー・オーヴァードライヴの名曲。カナダ出身のバンドで、シンプルなアメリカンロックがうけて、アメリカでは人気がありましたが、日本ではイマイチ人気がありませんでした。この曲は、フットボールをテーマにした映画のＢＧＭで使用される事が多いので、映画ファンなら一度は聴いた事があるのではないでしょうか。キアヌ･リーブス主演の『リプレイスメント』でも使用されていました。邦題には『仕事に御用心』というマヌケなタイトルが付いていました。まぁ、直訳そのままですが・・・。

 

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オリジナルスコア版のサウンドトラックもあります。

映画のＢＧＭで使用されたロックの名曲を収録した本作の他に、映画のオリジナルスコアを収録したサウンドトラックも発売されました。こちらはラブシーンのＢＧＭを中心に収録されているので、映画『ロック･ユー！』を恋愛映画として楽しんでいる方に最適だと思います。

 

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