生物学者のアラン・グラント博士と古代植物学者のエリー・サトラー博士の二人は、ハモンド財団の創始者ジョン・ハモンドに呼ばれて、コスタリカ沖の孤島へやってくる。そこには、すでに数学者のイアン・マルカム博士やハモンド氏の弁護士ドナルド・ジェナーロも招かれていた。ハモンド氏は、その島で、化石化した恐竜のDNAを使い、クローン恐竜を創り出した夢のテーマ・パークを建設中で、それぞれの分野の専門家のアドバイスと協力を得ようと科学者たちを招待していたのだった。グラント博士たちは、生態系を壊してしまった後の不測の事態に不安を感じ、テーマパークの建設に反対の立場を取るが、蘇った恐竜を見るために島でのツアーに参加する事になる・・・。

ネットで気軽にDVD CDレンタル　ぽすれん 

　１９９３年アメリカ作品。監督は『Ｅ．Ｔ．』『カラー･パープル』などのスティーブン･スピルバーグ、出演は『ポゼッション』『月のひつじ』のサム･ニール、『遠い空の向こうに』のローラ･ダーン、『ホーリー･マン』のジェフ･ゴールド･ブラムなど。クローン技術によって現代に蘇った恐竜が人間を襲い始める恐怖を描いたＳＦサスペンス作品。

　『ディスクロージャー』『ライジング・サン』などの映画の原作者としても知られるマイケル・クライトンの原作をスティーブン･スピルバーグ監督で映画化した娯楽作品。現代に蘇った恐竜のリアルな映像と、スリルを楽しめる作品ですが、大人向けのブラックジョークや、恐竜の絶滅、生態系のバランス、カオス理論など科学的な知識も盛り込まれていて、大人でも楽しめる娯楽作品になっています。何と言っても、特撮技術を屈指したリアルな恐竜の表情、動きには驚かされますし、スピルバーグ監督らしいスリルに満ちた映像は、緊迫感の連続で、恐竜の恐怖を十分に伝えてくれます。また、ＤＮＡ操作によっての恐竜誕生の過程などは省略されていますが、絶滅種を蘇らせる事によって起こる生態系の変化など、科学的な考察には説得力があり、子供向けの怪獣映画という幼稚なレベルにはなっていません。逆に、子供が観ても分らないようなブラックジョークもたっぷり取り込まれていて、ユーモアの要素としては、爆笑できるユーモアというより苦笑してしまうシーンの方が多く、子供に説明を求められると困ってしまうかもしれません。恐竜のリアルな映像の迫力、スリルを楽しめる娯楽作品の傑作ですが、感動できる作品ではないので、深いメッセージや哲学感などはありません。むしろ、倫理観の無さに呆れてしまうほどなので、迫力の映像を楽しむ娯楽作品として楽しんだほうがいいでしょう。

倫理的責任を考えない連中だろ？

　科学者の研究の成果によって恐竜を蘇らせますが、自らのプライドや利益の為に研究、開発をする科学者や、そんな科学者を利用する資本家に倫理感が無いと、とんでもない事態に発展してしまいます。獲物を見つけた肉食恐竜の鼻息が荒いのは仕方がありませんが、資本家が、倫理観を無視して利益の為に鼻息を粗くするのだけは、勘弁して欲しいですね。

小さなことが結果的には、大きなズレを生む

　カオス理論についての簡単な説明も出てきますが、難しい話ではなく、分りやすく説明されています。バタフライエフェクトとも呼ばれているようですが、小さなことがキッカケで、予測不能な大きな変化がもたらされてしまうという理論は、地球の環境を破壊し続けている人間が、一番認識しなくはならない事かもしれません。

シリーズ化作品４作

　現代に恐竜が蘇ったら？というテーマは、映画化に最適な題材で、本作の大ヒットもあってシリーズ化されました。２作目以降は、恐竜と人間の戦いに焦点が当てられた作風になっていて平凡な作品になっていますが、恐竜ファンの方なら、リアルな恐竜の映像だけでも楽しめると思います。

 

ＤＶＤ 購入ガイド

映画見るなら　⇒スカパー！おまかせプラン

検索用語を入力 検索フォームを送信