王者の貫禄？リラックス？

　ファースト、セカンドと着実に成功を収めてきたヴァン･ヘイレンのサードアルバムは、貫禄が出てきているのか、セカンドアルバムよりもスタジオジャム的なリラックスした雰囲気の伝わるアルバムになりました。前作に続き、遊び心に溢れるアイディア満載。エディの個性的なギターや実験的なアレンジも楽しめる作品になっています。

アレックスのバカ！

　『炎の導火線』のページでも書きましたが、高校のときに、ヴァン･ヘイレンの大ファンの友人がいました。その友人はファーストからサードアルバムまで持っていたので、ファースト、セカンドとレコードを借りて、このサードアルバムも貸して欲しいと頼むと、なぜか嫌な顔をされました。ファーストアルバム、セカンドアルバムは、自信たっぷりな顔で貸してくれたのに、サードアルバムだけは貸したくないらしく、2ヶ月も待たされて、ようやく借りて聴く事ができました。で、聴いてみると・・・。なるほど、コレじゃ貸したくないよな。バカにされるもの。正直言って前2作と比べると、リラックスしすぎと言うか、たるんでいると言うか、やる気が無いんじゃないかと思ってしまったというのが正直なところです。その友人もサードアルバムの出来に満足できず、バカにされるのが嫌で、人に貸したがらなかったようです。彼いわく、『アレックスがヘンなドラム叩くから悪いんだよ、エディは悪くないよ！』だそうです。ゴリラ顔のアレックスがジャングルビートを叩いているので爆笑しましたが、アレックスだけのせいではなく、大成功によって、ちょっと中だるみ的なじきだったのかも知れません。

 

 

■　ウィスキー・ロック　■　

『踊ろうぜー』『カワイコちゃんナンパしよーぜー』、こんな感じの曲が前作まであったので、そろそろ酒の歌が来るんじゃないかなぁと思っていたら、来ました。ボトルやグラスの音なんかも入っていて、うまく酔っ払ってる感じが出ていますが、ヴァン･ヘイレンらしいカッコイイ曲ですね。

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ファンの間では・・・

　結構評価の高いアルバムですが、ファーストが１００点、セカンドが８０点、このサードアルバムが６０点というのが一般的な評価だと思います。まだキーボードが導入されていない頃のアルバムなので、初期のヴァン･ヘイレンが好きな方には貴重なアルバムですが、楽曲の完成度などから考えると、ファン以外にはすすめにくいですね。

　リマスター盤ＣＤでは、楽器の音、グラス、ボトルの音などもクリアになり、より生々しい音質が楽しめるので、音質にこだわる方、ギターの音作りを追及したい方ならリマスター盤の方がいいと思います。このアルバムは特にリマスター盤との音の差がハッキリしているような気がします。