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バック・オン・ザ・ストリーツ
Back on the streets
1. バック・オン・ザ・ストリーツ
2. 甘い言葉に気をつけろ
3. 狂信的なファシスト
4. スノー・ムースの飛行
5. ハリケーン
6. ドナの歌
7. 皮肉な奴になりたいのか
8. パリの散歩道
1. Back On The Streets
2. Dont Believe A Word
3. Fanatical Fascists
4. Flight Of The Snow Moose
5. Hurricane
6. Song For Donna
7. What Would You Rather Bee Or A Wasp
8. Parisenne Walkways

ゲイリー・ムーアの最高傑作!

1978年発売のゲイリー・ムーアのソロアルバム。シン・リジィのギタリストとして活動中に発表したソロアルバムであり、当時、フュージョン系のサウンドを好んでプレイしていた時期の作品なので、ジェフ・ベックのようなインストルメンタルナンバーも収録されています。『バック・オン・ザ・ストリーツ』『パリの散歩道』などの名曲を収録。

 セールス的には、『大いなる野望』などのヒットアルバムには及びませんが、20代で若さ溢れるゲイリー・ムーアの才能が凝縮された名盤であり、多くのロックファンからゲイリー・ムーアの最高傑作と評価されているアルバムです。参加ミュージシャンは、ヴォーカル、ギターはもちろんゲイリー・ムーア、ベース、ヴォーカルにフィル・リノット、ドラムにブライアン・ダウニーとサイモン・フィリップス、ベースがジョン・モール、キーボードがドン・エイリーという豪華なメンバーで録音されています。ブライアン・ダウニー(Ds)、フィル・リノット(Vo・B)は、シン・リジィのメンバー、ドン・エイリー(Key)、ジョン・モールはコロシアムUのメンバーで、ゲイリー・ムーアの在籍していたバンドから友情参加しているようで、サイモン・フィリップスは、ジェフ・ベックとの共演で有名ですね。収録曲は、ハードロックからリズム・アンド・ブルースまで様々なジャンルの名曲がされ、ゲイリー・ムーアの幅広い才能を満喫できます。まずオープニングは、アルバムタイトル曲のハードロックナンバー『バック・オン・ザ・ストリーツ』、サイモン・フィリップス、ゲイリー・ムーアの攻撃的な演奏がたっぷりと楽しめます。2曲目『甘い言葉に気をつけろ』はフィル・リノット作曲の渋いリズム・アンド・ブルース・ナンバー、3曲目もフィル・リノット作曲ですが、こちらはパンク風のストレートなロックナンバー、『スノー・ムースの飛行』『ハリケーン』『皮肉な奴になりたいのか』の3曲はジェフ・ベックのようなインストルメンタルのフュージョンナンバー、そして、『ドナの歌』『パリの散歩道』がヨーロッパの哀愁が漂うバラードと、バリエーション豊富なアルバムになっています。後に発表されるハードロックの名盤『大いなる野望』に比べるとハードロック系の曲が少ないので、ハードロック、ヘヴィメタルファンには違和感があるかもしれませんが、70年代に流行したジャズロック、フュージョンというジャンルでゲイリー・ムーアのギタリストの才能を満喫できるという意味では最高のアルバムでしょう。このアルバムで重要な役割を果たしているサイモン・フィリップスは、後にジェフ・ベックのアルバム『ゼア・アンド・バック』に参加しジェフ・ベックのツアーメンバーとしても長く活躍しますが、『ハリケーン』『皮肉な奴になりたいのか』の2曲は、ジェフ・ベックの『ワイアード』や『ゼア・アンド・バック』に収録されてもおかしくない程ジェフ・ベックにそっくりで、『皮肉な奴になりたいのか』では、『BBA』に収録されている『レディ』にそっくりなギターフレーズまで出てきます。この頃のゲイリー・ムーアはジェフ・ベックに相当強い影響を受けていたんでしょうね。キーボードでバトルを展開するドン・エイリーのプレイもスリリングで、いい仕事をしています。そして、何と言ってもジェフ・ベックの『悲しみの恋人たち』、サンタナの『哀愁のヨーロッパ』に並ぶギターの名曲『パリの散歩道』の名演が強烈です。ギタリストにはもちろん、全てのロックファンにゲイリー・ムーアの才能を知らしめる名盤だと思います。

 このアルバムでゲイリー・ムーアがリード・ヴォーカルと取っているのは『バック・オン・ザ・ストリーツ』『狂信的なファシスト』『ドナの歌』の3曲で、フィル・リノットが『甘い言葉に気をつけろ』『パリの散歩道』の2曲でリードヴォーカルを担当しています。フィル・リノットは、このアルバムで『甘い言葉に気をつけろ』『狂信的なファシスト』『パリの散歩道』の3曲に作曲で貢献していて、このアルバムに大きな影響を与えています。シン・リジィでも共演していたので息が合うのは当然かもしれませんが、このアルバムにブルースフィーリングを持ち込んだという意味で、とても重要な役割を果たしていると思います。もし、『甘い言葉に気をつけろ』『パリの散歩道』の2曲が収録されなかったら、名盤と呼ばれる事もなかったでしょうから。やっぱりフィル・リノットは偉大なミュージシャンですね。(フィル・リノットの表記に関して、最近は発音に忠実なライノットという表記が多くなっていますが、オールドファンの為に慣れ親しんだリノットという表記をしています。)

    

 

■ バック・オン・ザ・ストリーツ ■

 サイモン・フィリップスのドラムがカッコイイ名曲。カラフルなタムワークにバリエーション豊富なフィルイン。ドラマーにとっても最高の名曲だと思います。この曲はライブでも、かなり演奏されていますがコージー・パウエルがプレイすると雰囲気がだいぶ変わります。

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紙ジャケットリマスター盤がオススメ

 このアルバムのリマスター盤にはボーナストラックは収録されていませんが、紙ジャケットでは、アナログレコードで発売されていた時の中ジャケットが忠実に再現されています。音質ももちろん向上していますが、中ジャケットの写真に注目。フィル・リノットの横でゴールドのレスポールを弾くゲイリー・ムーアの写真が最高にカッコイイです。ファンにとっては紙ジャケットはお宝でしょう。私も買いました。

 

 

 

 

 

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