サイモン＆ガーファンクルに憧れてコンビを組んでいるライル・ロジャースとチャック・クラークは、あまりにも個性的な作風で観客の失笑を買い、まったく売れずに悩んでいた。ある日、仕事を増やす為に契約したエージェントから、北アフリカでの仕事を紹介され、モロッコの隣国イシュタールへ向かう。一方、イシュタールで遺跡発掘をしていた考古学者が、イシュタールにまつわる予言の地図を発見、イシュタールの未来に関わる預言書の発見に歓喜すると共に、重大な発見に不安をおぼえていた。そんな事は全く知らないライルとチャックの二人は、コンサート活動の為にイシュタールに到着するが、シーラという左翼系活動家の女性に出会い、協力するハメになってしまうが、アメリカのＣＩＡも諜報戦に加わっていて、二人は、イシュタールの政治的な争いに巻き込まれてしまう・・・。

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　１９８７年アメリカ作品。監督はエレイン・メイ、、出演は、『天国から来たチャンピオン』『レッズ』のウォーレン・ベイティ、『卒業』『ハッカビーズ』のダスティン・ホフマン、『ポゼッション』『サブウェイ』のイザベル・アジャーニなど。売れない作曲家志望の中年男コンビが、中東の紛争に巻き込まれる姿を描いたコメディ作品。

　ウォーレン･ベイティ、ダスティン･ホフマンという大物俳優の共演、しかも、フランスの至宝イザベル･アジャーニも出演しているという豪華なキャスティングですが、公開当初から、評論家に酷評され、主演の３人にとってキャリアの汚点となる作品として知られ、国内盤ＤＶＤも発売されていません。とにかく評判の悪い作品ですが、単純にコメディ作品として観れば、かなり爆笑できる作品で、そんなに悪い出来ではありません。中東での政治的な紛争をコメディの題材にしたのが悪かったのか？、政治知識が豊富な俳優として知られているウォーレン･ベイティが出演しているににも関わらず、政治的なブラックジョークやメッセージが皆無なのが嫌われたのか？とにかく、映画評論家には、目の仇にされてしまいましたが、笑えるかどうかという問題で考えれば、ズバリ、笑えます。一番のポイントは、ウォーレン･ベイティとダスティン･ホフマン二人が演じる中年ミュージシャンのセンスの悪さです。とにかくズレたセンスの歌詞、メロディ、ダンスが笑わせてくれます。アメリカン・ニューシネマの傑作に主演し、人気実力共にトップクラスの俳優が、これほどおバカなキャラクターを演じているというだけでも一見の価値はあります。また、女性ゲリラ役で出演しているイザベル･アジャーニも、セクシーなシーンは少ないものの、抜群の存在感で、作品に花をそえています。ウォーレン･ベイティらいしい政治的な主張や、中東情勢のリアルな描写などは一切無く、感動的な作品でもありませんが、ひたすら笑ってストレスを発散させたいという方には、かなり楽しめるコメディ映画だと思います。

正直者は、何かにつけてソンをする

　主演の二人のセンスの悪さが一番笑えますが、二人のステージを観て唖然とする観客の表情も、かなり笑えます。才能が無いだけでは無く、自分たちのセンスの悪さに気づいていない所がコメディのポイントになっていますが、作曲家やミュージシャンを目指して活動している人には、こういうタイプって結構多いんですよね。

 

盲目のラクダ

　女性ゲリラにデタラメな暗号を教えられ、盲目のラクダを買うハメになったライル。地元のラクダ商人は、ライルがバカだとふんで、欠陥のあるラクダを売りつけようとします。音楽的なセンスの悪さも笑えますが、こういうバカさ加減にも爆笑できます。

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