１９６５年、ＵＣＬＡで映画を学んでいる学生のジム・モリソンは、パメラという美しい少女に一目惚れ、パメラも詩を愛し浮世離れしたジムの魅力に惹かれて付き合いはじめる。友達のレイも、ジムの歌詞に衝撃を受け、ジムをヴォーカリストにむかえ、ロックバンド『ザ・ドアーズ』を結成。ジムの衝撃的な歌詞とパフォーマンスで一躍有名になり、レコード会社と契約してプロデビューをはたす。『ハートに火をつけて』の大ヒットによりバンド活動は順調だったが、ジムの言動やパフォーマンスがエスカレートし、大問題を引き起こすようになる・・・。

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　１９９１年アメリカ作品。監督は『プラトーン』『サルバドル・遥かなる日々』などのオリヴァー・ストーン、出演は『ヒート』『デジャヴ』などのヴァル・キルマー、『プロミスト･ランド』『恋人たちの予感』などのメグ・ライアン。２７歳の若さで他界してしまった伝説のヴォーカリスト、ジム･モリソンの人生をドキュメンタリータッチで描いた作品。

　ジミ･ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンと並んで、伝説的なミュージシャンであるジム･モリソンの生涯を描いた伝記的な作品。主演のヴァル・キルマーをはじめ、実際の人物に近いベストなキャスティングですが、ジム･モリソンほどのカリスマ性のある人物は、どんな役者でも演じきるのは難しく、ドアーズのファンにとっては物足りなさを感じるかもしれませんが、伝説のアーティスト、ジム･モリソンの生涯を知るには最適な作品です。映画に使用されている曲は、ほとんどがドアーズの代表曲で、ドアーズの音楽を知る入門編としてもいいと思います。ただ、全編にわたって酒、ドラッグでヘロヘロになっているジム･モリソンのシーンが多くなっているので、アルコール依存症の人や、音楽、映像に影響を受けやすい方は見ないほうがいいかもしれません。

インディアンの魂

　ジム･モリソンの幻覚に度々インディアンが出てきますが、ジムが子供の頃に、自動車事故の現場を通りかかり、事故現場で死んだインディアンの魂が、自分に乗り移ったと信じていたそうです。かなり有名な話なのですが、この事実を知らないと幻覚シーンの意味が分からないかもしれません。

狂乱の６０年代

　オリバー･ストーン監督は、この時代をリアルタイムで体験してきているので、次代の描写がかなりリアルになっていると思います。アンディ･ウォーホールや、ニコ、その他有名人が登場するのも興味深いのですが、ベトナム戦争、キング牧師、ロバート･ケネディなどの６０年代の実写映像が、激動の時代を生々しく伝えてくれます。この時代をリアルタイムで生きていた人にとっては、苦い思い出だと思いますが、この時代を体験していない世代にとっては、貴重な映像資料としての価値もあるのではないでしょうか。

ジム･モリソンとフランシス･Ｆ・コッポラ

　『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』などの監督して有名なフランシス・Ｆ・コッポラ監督は、大学でジム･モリソンの同級生だったそうです。彼の代表作である『地獄の黙示録』で、ドアーズの『ジ･エンド』が使用されていますが、映画のイメージに合う曲であるばかりではなく、ジム･モリソンに対する敬意も込められているそうです。映画界の巨匠と伝説のロック･アーティストが、同じ大学で学んでいたというのは、偶然ではないのかもしれません。

　人気ロックバンドガンズン･ローゼズのヴォーカリスト、アクセル･ローズも、自分と自分の恋人の関係はジム･モリソンとパメラのような関係なんだ、とインタビューで語っていた事もありますが、ある意味ではロック界で最もカリスマ性のあるアーティストかもしれません。

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