ありえないグループ
60年代に成功を収めていたバンドのメンバーが集まり結成されたアコースティック・ユニットで、元ホリーズのグレアム・ナッシュ、元バーズのデヴィッド・クロスビー元バッファロー・スプリングフィールドのスティヴン・スティルス、の3人で、クロスビー、スティルス&ナッシュが1969年にデビュー、このメンバーに元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングが加入して、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングという伝説的なメンバーで結成。
このクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングは、ギター、ベース、ドラムなどの一般的なバンドのスタイルではなく、全員がギターを弾けてヴォーカル、コーラスができるというアコースティックバンドのスタイルをとっています。映画『ウッドストック』のライブでも、ドラムやベース無しのヴォーカル、コーラス、ギターのみでのライブ演奏をしています。音楽性は60年代の主流であった反体制的な思想をベースにしていて、映画『いちご白書』でも、彼らの曲が何曲も使用されています。
名盤『デジャ・ヴ』を残しますが、結局ニール・ヤングは、1年ほどで脱退、とても残念ですが、当然と言えば当然の結果だと思います。ニール・ヤングほど才能豊かなミュージシャンが、他のミュージシャンと活動を続けるのは、勿体無いし、やっぱり無理だと思います。例えば、イーグルスにジャクソン・ブラウンが加入しても、バンドのメンバーとして自分の才能を出し切れないジャクソン・ブラウンを見るのは、ファンとしてもイライラしますし、本人も耐えられないでしょう。『デジャ・ヴ』のアルバムは、イーグルスのアルバム『ホテル・カリフォルニア』に、ジャクソン・ブラウンの『孤独のランナー』『レイト・フォー・ザ・スカイ』を足してしまったような素晴らしい内容なので、1枚だけでもアルバムを残してくれた事に感謝して納得するしかありません。こんな豪華な組み合わせは、本来ありえないんです。例えが悪いかもしれませんが、エリック・クラプトンのクリームに、ジェフ・ベックが加入しても、やはりうまくいかないと思います。そのぐらい凄い組み合わせのグループだったんですけれど・・・。
その後、ニール・ヤングは、1988年にはアルバム『アメリカン・ドリーム』、1999年にはアルバム『ルッキング・フォワード』に、クロスビー、スティルス&ナッシュとともにレコーディングに参加、一時的に再結成のような形になりましたが、クロスビー、スティルス&ナッシュの再結成が、実質的に失敗だった為、ニール・ヤングが手を貸したという印象が強い再結成になりました。