１９８２年度グラミー賞最優秀アルバム

　１９８２年発売のＴＯＴＯの４枚目のアルバム。このアルバムは、この年のグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞し、その他の部門でも計７部門で受賞するという大成功を収め、このアルバムからのシングルも『アフリカ』が全米１位、『ロザーナ』が全米２位、『ホールド・ユー・バック』が全米１０位という大ヒットを記録し、ＴＯＴＯの人気が頂点に達し、世界的な人気を決定付けたアルバムになりました。

　全米チャートトップ１０に３曲を送り込んだポップセンスも素晴らしいですが、それ以上に、デビュー当時からのメンバーの最高傑作と言える演奏とヴォーカルのバランスの良さが目立ちます。ジャズ、フュージョンのようなハイセンスのアレンジから、ハードでドライブ感のある曲、エスニックな雰囲気を持つ曲までバラエティ豊かなアルバムでありながら、散漫な印象が全く無く、アルバムとしての統一感もある名盤です。アルバムに収録されている曲すべてをシングルカットしてもいいんじゃないかと感じさせるほど、素晴らしい内容です。また、ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボーディストなど、プロ、アマ問わず多くのミュージシャンにとって理想の演奏力、アレンジセンスで、ミュージシャンのバイブルとも言える伝説的なアルバムとして絶対的な評価を得たアルバムでもあります。このアルバムがグラミー賞の最優秀アルバム賞を争ったのは、ドナルド・フェイゲンの名盤『ナイトフライ』でしたが、高音質で有名な『ナイトフライ』と比べても引けを取らない音質のいいアルバムとしても有名です。

ロザーナのドラムは・・・

　シングルヒットして、今やＴＯＴＯの代名詞になっている名曲『ロザーナ』のドラムは、レッド・ツェッペリンの『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』に収録されている『フール・イン・ザ･レイン』のドラムを参考にしています、と言うかパクっています。レッド・ツェッペリンのドラマーだったジョン・ボーナムの息子ジェイソン・ボーナムと、ＴＯＴＯのドラマーだったジェフ・ポーカロは親交があり、『君の親父さんのドラミングをパクッたんだ！』とジェフ・ポーカロに告白されたそうです。ハーフタイムシャッフルというリズムパターを使った基本的なパターンは同じで、ジェフ・ポーカロらしい都会的なセンスでアレンジされ、ドラマーにとっては一つの課題とされるような複雑なパターンが組み込まれています。コレ難しいんですよね、私もコピーするのに苦労しました。アマチュアドラマーの方は、実力を上げる為の課題曲として取り組んでみてはいかがでしょうか？

　  　

 

■　アフリカ　■

　全米ナンバー１を記録したシングル曲ですが、ＴＯＴＯのイマジネーションの豊かさを象徴するような名曲だと思います。アフリカ大陸のイメージが浮かんでくるような印象的なパーカッションに一緒に歌いたくなるポップメロディ、色々な意味でＴＯＴＯのセンスが生かされた名曲だと思います。

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高音質ＳＡＣＤ、ブルースペックＣＤが発売！

　８０年代のはじめに発売されたＣＤの中では、特に音質のいいアルバムでしたが、アナログ盤、ＣＤの他に、ＳＡＣＤや、ブルースペックＣＤが発売されています。純粋に音質を追求したい方には、やはりアナログ盤がオススメですが、今のところ、ブルースペックＣＤや、ＳＡＣＤの音質がＣＤでは最高のようです。ＳＡＣＤではマルチチャンネルで楽しめるので、ＴＯＴＯの名盤をマルチチャンネルで楽しみたい方には、ＳＡＣＤがオススメです。

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