元フットボールの有名選手だったマイクは人気スポーツ解説者としても成功していた。マイクは、オーストラリアに向かう飛行機内で、テリーという美しい女性と出会うが、プレイボーイとして有名なマイクに対して、テリーは好感をもてなかった。二人の乗った飛行機は、エンジンの故障で珊瑚礁の島に不時着、乗客は客船に助けられて、その船に乗船することになる。航海の途中、ボラボラ島に船が寄港することになり、マイクはテリーを誘って島に住む伯母のジニーを訪ねる。テリーは、マイクの伯母ジニーとの会話の中で、本当の愛情に満ちた結婚について教えられ、同時にプレイボーイとして知られるマイクの、本当の姿を知ることになる。島から船に戻り、二人は本当に惹かれあっていることを実感し、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルの展望台で3ヶ月後の5月8日再会しようと約束するのだが・・・。

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　１９９４年アメリカ作品。監督は、グレン・ゴードン・キャロン。出演は、『天国から来たチャンピオン』『レッズ』のウォーレン･ベイティ、『心の旅』『ワイルドレンジ・最後の銃撃』のアネット･ベニング、『トーマス･クラウン･アフェアー』『エブリン』のピアース･ブロスナンなど。互いに強く惹かれながらも、運命に翻弄されてしまう男女の恋愛を描いた名作恋愛映画。　

１９９４年度作品ですが、この作品は３度目の映画化作品で、以前に２度映画化されている名作です。往年の映画ファンにとっては、ケイリー・グラント、デボラ・カー主演の『めぐり逢い』の方がなじみがあるかもしれませんが、音楽にエンニオ･モリコーネ、撮影にコンラッド・ホールと、アカデミー賞受賞の経験のあるスタッフをむかえて製作され、製作、脚本も担当したウォーレン･ベイティの意欲が十分に伝わってきます。コンラッド･ホールの明るすぎない、やわらかい光を、うまく使った美しい映像、不思議な懐かしさのあるエンニオ･モリコーネの音楽、どちらもこの映画に欠かせない重要な要素になっています。私は、メロドラマ系の映画は、あまり観ないのですが、この作品は傑作だと思います。

人生の喜びは、何かを得ることじゃない

　アネット･ベニングが演じるテリーと、キャサリン・ヘップバーンが演じるジニーとの会話は、とても印象的です。真実の愛情に満ちた結婚生活を経験した女性の語る結婚観に、テリーは、素晴らしい贈り物をもらったような気分になったと思いますが、映画を観ている私たちも、同じように、気付きという大きな贈り物を与えてくれます。

　この映画の音楽はエンニオ･モリコーネが担当していて、『ワンス・アッポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のような郷愁に満ちた素晴らしい音楽が映画を盛り上げてくれていますが、映画の舞台は現代に置き換えられているので、ビートルズの名作『ホワイト･アルバム』に収録されている『アイ・ウィル』を子供たちが歌うシーンもあり、映画のエンディングでも、この曲が使われています。この映画にピッタリな歌詞で、映画を感動的なものにしていると思います。また、レイ･チャールズが本人の演奏シーンで出演しているのも、音楽ファンには嬉しいところです。

本当のカップル

　この映画の製作時に、私生活でも交際していたウォーレン･ベイティとアネット･ベニングの演技は、とても自然で、二人の愛情の深さがリアルに伝わってきます。もしかしたら、愛するアネット･ベニングの為にウォーレン･ベイティが作りたかった映画なのかもしれませんね。。プレイボーイとして有名で、ダイアン･キートン、イザベル･アジャーニ、マドンナなどとの交際が噂されたウォーレン･ベイティも、ようやく理想の人にめぐり逢えたようです。

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