魔力を持つ指輪を葬る為に旅に出たフロド、サム、アラゴルンなど旅の仲間は、オークの軍団に襲われて離れ離れになってしまい、指輪を持つフロドは、サムと二人で旅を続ける。一方、フロドと離れてしまったアラゴルンたちは、オークにさらわれた仲間を救い出そうと旅を続けるうちに、意外な人物に再会する・・・。

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　２００２年アメリカ作品。監督は、『ラブリーボーン』のピーター･ジャクソン、出演は、『僕の大事なコレクション』のイライジャ･ウッド、『インディアン･ランナー』『オーシャン･オブ･ファイアー』のヴィゴ・モーテンセン、『アルマゲドン』のリヴ･タイラー、『バベル』のケイト･ブランシェット、『エリザベス･タウン』のオーランド・ブルーム、『ダ･ヴィンチ･コード』のイアン・マッケラン など。 J.R.R.トールキン原作の『指輪物語』を映画化。世界を支配する事ができるという指輪を巡っての争いと、平和の為に戦う人間、妖精、魔法使いたちの姿を描いた感動作の第2弾。

　シリーズ１作目『ロード･オブ･ザ･リング』が、登場人物の紹介などのイントロダクション的な意味合いが強かったのに比べると、ストーリーが本格的な盛り上がりを見せ、ドワーフ族とエルフの友情、アラゴルンとアルウェンの愛、フロドとサムの意志の強さなどがじっくりと描かれ、感動的な作品になっています。指輪の持ち主で重要な役どころとなるゴラムや、木の妖精エントなどが登場する事によってファンタジー映画としての魅力も高まりますが、エントの存在は、環境破壊によって自分の首を絞めてしまっている現代人に警鐘を与える存在で、ゴラムの二重人格は、善と悪の間で苦しむ人間の姿を象徴しているようにも感じられます。全体的に暗い作品ですが、部族を超えた信頼と友情、愛の力、自分を犠牲にしても誰かを助けようとする勇気など、多くのメッセージと感動を与えてくれる名作で、個人的には、シリーズ中で一番好きな作品です。

　期待した以上の傑作で大満足の作品でした。個人的に厳しい時期に観たんですが、生きる勇気を与えてもらいました。この作品の主要登場人物であるフロド、サム、アラゴルンたちの高潔さは、人間の善意、勇気が不利な状況を打開し得る可能性を教えてくれます。世の中の為なら自分の命を捧げてもかまわない、友人の為に死ねるなら本望だという高潔さは、人間の理想の姿のような気がします。ファンタジー作品としての物語を楽しみながら、多くの事を学べて反省できる貴重な名作ではないでしょうか？

当然の報いかも、だが、こうやって見ると哀れだ

　自らの強欲の罪によって罰が当たっている人間を見て、『自業自得だ！』と見捨てる人も多いと思いますが、たとえ自分の行いが悪くて苦しんでいるにしても、情けをかけてやるのが、人情というもの、見捨てずに哀れみをかけてやるほうがいいような気がします。

友が一緒だ

　色々と感動的な物語が楽しめる作品ですが、やはり友情の絆というテーマが一番印象に残ります。どんなに厳しい状況に置かれても、信頼できる友人がそばにいるだけで不思議と落ち着きますよね。こいつと一緒なら死んでもかまわないと感じられる友人がいることが、一番の幸せなのかもしれません。

 

アラゴルンと馬

　谷底に落ちてしまったアラゴルンを、彼の愛馬が助けるシーン。人間同士の友情、信頼関係というのも素晴らしいですが、人間と動物も、愛情があれば強い絆で結ばれるんですよね。

 

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作品賞受賞ならず

　内容的には文句無しの作品だと思いますが、残念ながらアカデミー賞作品賞は受賞できませんでした。本当に素晴らしい作品だったので、ちょっと納得がいきませんが、これもシリーズ完結編への期待があったからなのかもしれません。

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