1998年アメリカ作品。監督は『ピースメーカー』などのミミ・レダー、出演は『フェノミナン』のロバート・デュヴァル、『天使のくれた時間』のティア・レオーニ、『僕の大事なコレクション』のイライジャ・ウッド、『アイズ・エイド・シャット』のリリー・ソビエスキー、『ショーシャンクの空に』のモーガン・フリーマンなど。巨大彗星の地球の激突によって人類の存亡の危機に瀕した人間たちそれぞれのドラマを描いたSF作品。
巨大彗星が地球に激突するというテーマで人類滅亡の危機を描いたアクションSF作品では、『アルマゲドン』などの超大作が有名ですが、本作は、人類存亡の危機という壮大なスケールのアクションSF作品でありながら、かなり人間味のあるドラマとして楽しめる名作です。『アルマゲドン』などの作品と比べると、映像のリアリティなどは迫力に欠けますが、娯楽作品を意識しすぎてコメディ要素を強くした『アルマゲドン』と比べると、死に直面した時の人間の行動という点が強調され、感動できるアクション映画になっていて、キャストも、ティア・レオーニ、モーガン・フリーマン、ロバート・デュヴァル、イライジャ・ウッド、リリー・ソビエスキーなど豪華な出演者が揃っています。最近はCGやFSXを屈指した娯楽超大作が多いので、そういった作品と比べてしまうと、ちょっと地味な印象がありますが、終末の世の中を描いた作品の中ではリアリティがある人間ドラマとして楽しめるので、感動作としてもオススメの作品です。
巨大彗星の衝突による人類滅亡という同じテーマの作品『アルマゲドン』では、映画ならではの希望のある結末が楽しめましたが、結末に関しては、本作の方がリアリティがあります。アメリカ政府がシェルターを建設し抽選で選ばれた人間だけが、そこに避難できるという設定になっていて、事前に生き残れる人が決められてしまうわけです。抽選にもれてしまった人々はどんな死を迎えるか、それぞれ選択するわけですが、この死を覚悟した人間の行動が最大の焦点となっていて、考えさせられてしまいます。多分、愛する人と一緒に死を迎える、あるいは愛する人の命だけは守る。そういった決断が一番幸せなのかもしれません。一緒に死にたい、あるいは、この人だけは守りたいと思う人がいれば、その人は幸せなんじゃないでしょうか。
誰が仕掛けた?
財務長官の辞任のニュースに関してテレビ局で会議が開かれている最中に、こんなセリフが出てきます。政治家の失脚に関しては、強い権力を持つ政治家や財界人の意図によって仕組まれる場合が多いですが、そんな政治の世界を風刺したブラックジョークなんでしょうね。
あなたが助かれば幸せよ
この作品では、抽選で一部の人間がシェルターに避難する事ができますが、もし、愛する人が助からないと分かっても、自分だけシェルターに避難したいと思うでしょうか?自分より愛する人の事を考える、それが人間らしさというか、人間の最大の美徳だと思います。
神が祈りを聞いてくれると信じている
クリスチャンは神様の存在を信じていますし、私たちの祈りを聞いてくださると信じています。無心論者の方にとっては無意味な事かもしれませんが、人が自分の事ではなく他人の為に祈るということは素晴らしい事だと思います。その祈りが神様のご意思にかなったものなら、きっと聞いてくださいます。