まずこれを聴け!
1975年発売、ブルース・スプリングスティーンの3枚目のスタジオレコーディングアルバム。全米チャート3位を記録し、ブルース・スプリングスティーンの人気を決定付けた名盤です。アルバムタイトル曲の『明日なき暴走』、『涙のサンダーロード』『ジャングルランド』などの名曲を収録。
前作までは、バックバンドの演奏が不安定で素人っぽさの抜けないアルバム作りでしたが、本作からドラムにマックス・ワインバーグが加入し、リズムの安定感が格段良くなり安定したビートによってブルース・スプリングスティーンの曲の良さ躍動感がパワーアップして完成度の高いアルバムになっています。ブルース・スプリングスティーンの才能に早くから注目していたジョン・ランドーがプロデューサーとして参加したせいなのか、このアルバムでブルース・スプリングスティーンの才能が一気に開花した感じです。まだリトル・スティーヴンは参加していませんが、Eストリート・バンドの原型が築かれたアルバムで、ゲイリー・タレントとマックス・ワインバーグのエネルギッシュで安定感抜群のリズムセクションにロイ・ビタンの女性的で繊細なピアノ、クラレンス・クレモンズの野生的なサックスが色を付けるというバンドのカラーがハッキリと打ち出され、捨て曲無しの密度の濃い名盤に仕上がっています。ブルース・スプリングスティーンのアルバムの中では、これが一番!と感じているファンも多いと思います。
高校生の頃に、このアルバムを聴き狂っていました。タイトル曲『明日なき暴走』の若さ溢れる疾走感。『ジャングルランド』での壮大でドラマティックな展開などが特に印象的ですが、アルバム全体にブルース・スプリングスティーンの情熱と繊細さが散りばめられた不朽の名盤で何度聴いても飽きない普遍性のある名盤です。アナログ盤、CD、限定ボックスなど、このアルバムは何度も買い換えていますが、何度買い換えても無駄にならない名盤だと思います。