ディスク：1
1. タイズ・ザット・バインド
2. 愛しのシェリー
3. ジャクソン刑務所
4. 二つの鼓動
5. 独立の日
6. ハングリー・ハート
7. 表通りにとびだして
8. クラッシュ・オン・ユー
9. ユー・キャン・ルック
10. アイ・ワナ・マリー・ユー
11. リバー

ディスク：2
1. ポイント・ブランク
2. キャディラック・ランチ
3. アイム・ア・ロッカー
4. 消え行く男
5. 盗んだ車
6. 恋のラムロッド・ロック
7. プライス・ユー・ペイ
8. ドライブ・オール・ナイト
9. 雨のハイウェイ

Ｄｉｓｋ：1
1. Ties That Bind
2. Sherry Darling
3. Jackson Cage
4. Two Hearts
5. Independence Day
6. Hungry Heart
7. Out in the Street
8. Crush on You
9. You Can Look (But You Better Not Touch)
10. I Wanna Marry You
11. River

Ｄｉｓｋ：2
1. Point Blank
2. Cadillac Ranch
3. I'm a Rocker
4. Fade Away
5. Stolen Car
6. Ramrod
7. Price You Pay
8. Drive All Night
9. Wreck on the Highway

俺たちは、このアルバムにこだわった

　１９８０年発売、ブルース･スプリングスティーンの５作目のスタジオレコーディングアルバム。２枚組みアルバムですが、全米チャートで１位を記録。シングルヒット曲『ハングリー・ハート』、アルバムタイトル曲『ザ・リバー』などの名曲を収録。

　んー凄い！爆発してますね。前作『闇に吠える街』がマネージャーとのトラブルにより、ブルース・スプリングスティーン本人としては、不本意な形での発売となり、納得がいかなかったせいもあるのか、２枚組みにギッシリと名曲を詰め込み、ブルース・スプリングスティーンとＥストリート・バンドの結束力の強さを実感させてくれるアルバムになっています。ライブ音源風、スタジオライブ風のエネルギッシュな演奏から、歌詞の内容をじっくりと伝えようとするシリアスなバラードまで、ブルース・スプリングスティーンの魅力の詰まったアルバムであり、ごくごく一般的なアメリカの労働者の視点から描かれた歌詞の内容は、アメリカだけでなく世界中の若者からの共感を得て、曲の良さや演奏力だけでなく、メッセンジャーとしてのブルース・スプリングスティーンの価値を確立させた名盤と言えます。父親との決別をテーマにした『独立の日』、子供が出来て結婚し夢を諦めた男を描いた『ザ・リバー』など重いテーマの曲も多く、パァーと明るいロックナンバーとシリアスで暗い曲が混在していますが、ブルース・スプリングスティーンが、このアルバムのテーマについて、『俺は人生にはこんな矛盾があるという理解にたどり着いた。君らも同じことだぜ』とコメントしているように、人生の明暗を全て表現したような内容の濃いアルバムで、メッセージ性だけを考えれば、このアルバムがベストと考えるファンも多いと思います。アダム・サンドラー主演の『再会の街で』という映画の中で、主人公が、特にこのアルバムにこだわっていたというセリフが出てきますが、同じ気持ちのロックファンも多いのではないでしょうか。この映画では、本作に収録されている『ドライブ・オールナイト』も効果的に使われていました。

　高校生の頃からバンド活動をはじめたのですが、このアルバムから『クラッシュ・オン・ユー』『キャディラック・ランチ』『恋のラムロッド・ロック』の２曲をカヴァーで演奏していました。割と演奏が簡単だった事と明るい曲だったという理由でレパートリーにしたんですが、夜中にバンド仲間とこのアルバムを聞きながら、『ザ・リバー』『独立の日』『ポイント・ブランク』『プライス・ユー・ペイ』などの歌詞について語り合ったのを覚えています。私とバンド仲間にとっては、映画『再会の街で』の主人公と同じで、特にこだわったというか影響を受けたのが、このアルバムでした。まだ高校生で社会の厳しさを知らなかった私たちでもブルース・スプリングスティーンのメッセージは強く心に残り、社会人になってからは、このアルバムのメッセージを嫌というほど実感する事になりました。個人的には、思い入れが強すぎて、このアルバムを聴くと落ち込んでしまいます。

 

 

■　プライス・ユー・ペイ 　■

　作品のテーマは『代償』について。何かを手に入れるためには代償が必要という単純なテーマですが、払うべき代償を払えずに夢が叶わない、欲しい物が手に入らないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか？。ブルース・スプリングスティーンも自分の才能を伸ばそうとする努力を怠らなかったから、一流ミュージシャンになれたんでしょうね。でも、思わぬ恩恵を受けた場合、後になってその代償を払うハメになるのかもしれません。色々な意味で教訓になる曲だと思います。

 

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紙ジャケットシリーズあり！

　アナログ盤を忠実に再現した紙ジャケットで発売になりました。歌詞の内容がシリアスで重厚になり、アメリカンロックらしい明るいヒット曲も収録されているので色々な意味で楽しめる名盤ですが、アナログ盤で手に入れた時の感動を思い出させてくれる紙ジャケットは本当にありがたいです。字が小さいので老眼の人はメガネ無しでは読めないかもしれませんが、アルバムのアートワーク、日本語訳をじっくりと楽しむには最高です。

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