どうしてティムは、俺のジャマばかりするんだろう?
自動車事故の為に一時断念していたティム・ボガート、カーマイン・アピスとのスーパーバンドBBAを結成。当初は第2期ジェフ・ベック・グループのメンバー、ボブ・テンチとマックス・ミドルトンを加えた5人編成のバンドとしての構想があったらしいですが、マックス・ミドルトンの脱退によって、トリオ編成のBBAとしデビュー、スタジオ盤1枚、ライブ盤1枚を発表しただけで解散してしまいます。レッド・ツェッペリンに対抗して作ったバンドと言われていますが、売れ線狙いのポップな曲も、キーボード抜きのトリオ編成でのインプロビゼーションもジェフ・ベックにとっては無意味だったらしく、ジェフ・ベックのキャリアの中で本人が最も後悔しているバンドとなってしまいます。ティム・ボガートのベースの音量が大きすぎる事にも苛立っていたようです。
エリック・クラプトンはクリーム、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンの大成功によってギタリストとして、アーティストとして全世界に認められましたが、ジェフ・ベックは実力のわりには、商業的な成功を手に入れられませんでした。クリーム、レッド・ツェッペリンに対抗できる最強のバンドとして結成されたわけですが、オリジナルアルバム『BBA』は強烈な演奏力を見せつけているものの、売れ線狙いのポップなナンバーが多く、ちょっと狙いすぎの感があり、ライブではトリオバンドにありがちなエゴのぶつかり合いが多く、実質的には大失敗だったようです。しかし、ジェフ・ベックの本格的なロックバンドという事で、今でも日本ではBBAのファンが多く、日本のファンの要望に答える形で、ライブアルバムも日本限定で発売されました。また、プロのミュージシャンにも影響力が大きく、『レディ』などの曲は多くのギタリストのお手本となり、ゲイリー・ムーアのソロアルバム『バック・オン・ザ・ストリーツ』にも、この曲にソックリな曲が収録されています。
エリック・クラプトンのクリームなどとは違って、再結成はありえないと思います。BBAのファンの方は、この2枚のアルバムのみをひたすら楽しむしかないようです。
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