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ジェフ・ベック、テリー・ボジオ、トニー・ハイマス

１９８９年発表のジェフ・ベックの１２作目のアルバム。大胆な商業路線で製作された『フラッシュ』から４年ぶりの本作では、『ゼア・アンド・バック』でキーボーディスト、ソングライター、アレンジャーとして貢献し、ツアーにも参加していたトニー・ハイマスと、元フランク・ザッパ・バンドの天才ドラマー・テリー・ボジオが参加して制作されました。ベースはトニー・ハイマスのキーボードで兼務し、トリオ編成でのバンドになっています。ホンダのテレビＣＭにも使用された『スタンド・オン・イット』を収録。

　発売前からジェフ・ベックとテリー・ボジオの競演という事で話題になっていたアルバムです。基本的には、『ゼア・アンド・バック』の音楽性の延長ですが、テリー・ボジオという個性的なテクニシャンが加わった事により、ジェフ・ベックもモチベーションが高く、期待通りの奔放なプレイで楽しませてくれます。トニー・ハイマスの個性なのでしょう、全体的にタイトでありながら広がりのあるスケールの大きなアレンジが多く、単にフュージョンアルバムというカテゴリー分けできない個性的なサウンドになっています。これだけ才能のあるミュージシャンがトリオ編成でバンドを組むんですから、凡人には理解できないレベルにいっちゃてます。

　正直な所、期待が大きすぎたせいもあって、最初に聴いた時は、それほど印象に残らなかったんですが、聴きこんでいくと、この３人の天才アーティストの個性、才能に圧倒されます。リスナーを選ぶというか、こんな凄い音楽を作れる人が地球上にいるというだけで神様に感謝したくなります。ヴォーカル無しなので、インストが苦手なロックファンには薦めにくいですし、凄すぎてアルバムの良さを認識するまで時間がかかるかもしれないというデメリットはありますが、自身の代表作としてジェフ・ベックが本作に誇りを持っているのは間違いないでしょう。

　

■　スリング・ショット　■

アルバムのエンディング曲は、ドライブ感があり壮絶なギター、ドラムが楽しめる名曲。このアルバムの収録曲の中では一番へヴィな曲ですし、ハードロックファンにもオススメできる名曲です。

 

カントリーやろうぜ！

　本作の後、ジェフ・ベックはカントリーアルバムを製作しますが、テリー・ボジオはジェフ・ベックの誘いを断り参加していません。『そういうのには興味が無いから』と言って断ったそうですが、なるほど、己を知っているというか、テリー・ボジオがカントリーバンドのドラマーなんて似合いませんもんね。

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◆　ジェフ･ベック

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◆　ベック・ボガート＆アピス

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