レコーディングサウンド

 

　ジェフ・ベックはエリック・クラプトンと同じで、プロデュースに興味は無いらしく、レコーディングの音作りは完全にプロデューサー任せにしているようです。ブルースロック、ファンクロック、ハードロック、フュージョンと音楽性を変化させてきましたが、音楽性によってレコーディングの音質、傾向は全く違います。ギターの音質もアルバムによって変化しているので、この音質がジェフ・ベックらしい音質と言える決定的な形はありませんが、ジョージ・マーティン、ヤン・ハマー、トニー・ハイマスなど天才肌のプロデューサーの音楽性が、ギターの音にも影響を与えていて、プロデューサーが変わるたびギターの音質も変わっています。

『トゥルース』から『ジェフ・ベック・グループ』までのアルバムは、ギターの音作りも割りと大雑把で、ヒステリックなほどの音質になっています。逆に『ゼア・アンド・バック』以降のアルバムは、曲のイメージに合わせている為、かなりエフェクターをかけています。　

　最も人気のある『ブロウ・バイ・ブロウ』のアルバムのギターの音質が、ザツ過ぎず、イジリ過ぎず一番自然で、ジェフ・ベックの魅力を楽しめる音かもしれません。このアルバムでは、ギターにエフェクトをかけ過ぎず、ギター本来の音の良さとジェフ・ベックのテクニックがバランス良くかみ合っているので、音作りの参考にするなら、このアルバムが一番かもしれません。このアルバムはＳＡＣＤでも発売されています。ＳＡＣＤでは信じられないほど音が良く、まるでスタジオで生演奏を聴いているような高音質で聴けるので、ギターの音質を正確にチェックしたい人には、こちらがオススメです。

　

ライブサウンド

 

　ライブでは、ギターの音質も基本的にはレコーディングの音を基本にしているようですが、曲によっては、エフェクタ類をだいぶ省略してシンプルな音でプレイする事が多いようです。ジェフ・ベックのライブ映像は以外に少ないのですが、演奏の内容、バックバンドの充実振り、本人のモチベーションの高さなど、色々な面でベストなのが『アームズ・コンサート』です。キーボードにトニー・ハイマス、ドラムがサイモン・フィリップス、ベースにフェルナンド・サンダースという最強ラインナップで、ギターの音も参考にしやすいと思います。

 

 

使用楽器

 

フェンダー・ストラトキャスター　（　Fender Stratocaster　）

　ジェフ・ベックが一番使用することが多いのがストラトキャスター、指弾きでの細かいニュアンスを表現する為に、フェンダーのギターを使用する事が多いようです。エリック・クラプトンと同じようにレースセンサーピックアップが搭載されているモデルを長く使用してましたが、現在はフェンダーのオリジナルノイズレス・ピックアップを使用しています。フェンダー社とレースセンサー社の契約問題でレースセンサーのピックアップが使用できなくなり、ジェフ・ベックもノイズレス・ピックアップのストラトキャスターを使用していますが、音質的にはレースセンサー搭載のストラトキャスターの方が勝っています。もしジェフ・ベックに憧れてストラトキャスターを購入するなら、中古でレースセンサー搭載ストラトキャスターを探した方が、いい音でプレイできると思います。

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フェンダー・テレキャスター　（　Fender Telecaster　）

　ジェフ・ベックとエリック・クラプトンが共演した『シークレット・ポリスマンズ・コンサート』では、フェンダーのテレキャスターを使用しています。映像で確認した限りでは、ハンバッキングを搭載したテレキャスターで、オリジナルではなく改造したものかもしれません。『ブロウ・バイ・ブロウ』に収録されている『悲しみの恋人達』でもテレキャスターを使用していると思われますが、最近では、ほとんど使用していないようです。

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ギブソン・レスポール　（　Ｇｉｂｓｏｎ Telecaster　）

　　ＢＢＡまではギブソンのレスポールも使用していたようです。ＢＢＡはドラム、ギター、ベースの最低限の編成で音の厚みを出す為にもギブソンサウンドが必要だったようですが、指弾きでのニュアンスが出しにくい為、最近では全く使用していません。　

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