かつてファースト・エディと呼ばれたビリヤードの名手エディは、過去の苦い経験からビリヤードから遠ざかり、今は酒のセールスで生活していた。恋人のジャネルの為に老後のバハマでの生活も考えていたが、ある日、ヴィンセントという凄腕のプレイヤーに出会い、彼を一流のハスラーに育てる為に、ビリヤードの修行旅行に出る決意をする。だが、ビリヤードに関しては天才的な才能があるヴィンセントだが、気が短く自分をコントロールすることができない為、ハスラーとしては最低で、エディを悩ませる事になる。そんな時、ビリヤードの大会の優勝候補と言われるグレイディ・シーズンというプレイヤーと対戦する機会に恵まれるが、ヴィンセントは、エディの忠告を無視して真剣勝負をしてしまう・・・。

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　１９８６年アメリカ作品。監督は、『ラスト・ワルツ』『ディパーテッド』などのマーティン・スコセッシ、出演は『明日に向かって撃て！』『スティング』などのポール・ニューマン、『ラスト・サムライ』『コラテラル』などのトム・クルーズ。そして『アビス』のメアリー・エリザベス・マストラントニオ、『グッド・シェパード』のジョン・タトゥーロ、『プラトーン』のフォレスト・ウィテカー、ロック・ミュージシャンのイギー・ポップなども出演しています。１９６１年度作品の『ハスラー』の続編です。日本にビリヤードブームを巻き起こした作品としても有名です。

　この作品でポール・ニューマンはアカデミー賞主演男優賞を受賞していますが、まさにポール・ニューマンの為の映画、男の為の映画です。一度はプレイヤーとして足を洗った主人公が、若者のプレイに刺激を受けて、もう一度プレイヤーとしての道を歩み始める物語は、夢をあきらめてしまった人、挫折しそうな人に勇気を与えてくれると思います。特に、もう俺は歳だから・・・と、弱気になっている人には、かなりの刺激になると思います。８０年代の作品ですが、ロック、ブルースをＢＧＭにタバコの煙、酒の匂いが感じられる渋い映像で仕上げられているので、８０年代の映画に多いダサイ雰囲気が一切ありません。トム・クルーズ、ポール・ニューマンのナインボールでのショットには、かなり迫力があるので、ビリヤードに興味を持つキッカケにもなると思います。ただ、極めて男性的な映画なので、女性向けの映画ではありません。女性ファンにとっては、トム・クルーズが出演しているというのが嬉しいところですが、自制の効かないおバカな若者という役で、ストーリー的に恋愛要素も少ないので、あまり期待しない方がいいでしょう。８０年代の映画なので仕方がないですが、髪形もかなりダサいです。という訳で、男にとっては最高の映画ですが、女性向けではないということで、★４つにしてあります。

腕だけでなく、もう一つ必要だ

　ビリヤードに限らず、勝負事には洞察力というか、物事の本質を見抜く力が必要になってきます。スポーツなどでは特に重要な要素だと思いますが、日常生活の中でも同じような気がします。いい映画や、本に出合えても、一番重要な部分がどこなのか？という事を見抜けなければ、いい作品が与えてくれる感動も半減してしまいます。もっと身近な部分で言えば、悪意を持った人間を見抜けないと、詐欺に会ったり、騙されてしまったりします。何気ないセリフですが、物事を見る目を持つという事は本当に重要な事だと気づかせてくれるセリフです。

負けたらどうする

　相手をカモにして金をもうけるハスラーから、一人のプレイヤーとして生きることに目覚めたエディが、ヴィンセイントの勝負を挑みます。この最後のブレイクショットでのセリフに、男なら大きな勇気を与えてもらえると思います。

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メアリー・エリザベス・マストラントニオ
ジョン・タトゥーロ
イギー・ポップ
フォレスト・ウィテカー

 

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