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ビートルズ・フォー・セール
 
Beatles for Sale

1. ノー・リプライ
2. アイム・ア・ルーザー
3. ベイビーズ・イン・ブラック
4. ロック・アンド・ロール・ミュージック
5. アイル・フォロー・ザ・サン
6. ミスター・ムーンライト
7. メドレー
a.カンサス・シティ
b.ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ
8. エイト・デイズ・ア・ウィーク
9. ワーズ・オブ・ラヴ
10. ハニー・ドント
11. エヴリー・リトル・シング
12. パーティーはそのままに
13. ホワット・ユー・アー・ドゥーイング
14. みんないい娘

1. No Reply
2. I'm a Loser
3. Baby's in Black
4. Rock & Roll Music
5. I'll Follow the Sun
6. Mr. Moonlight
7. Kansas City/Hey-Hey-Hey-Hey! [Medley]
8. Eight Days a Week
9. Words of Love
10. Honey Don't
11. Every Little Thing
12. I Don't Want to Spoil the Party
13. What You're Doing
14. Everybody's Trying to Be My Baby

初期の最高傑作!

 1964年発売のビートルズの4枚目のアルバムで、オリジナル作品もカヴァー作品も名曲の多い初期の名盤です。このアルバムは、クリスマス商戦に合わせて12月中に発売しなければならないというレコード会社の要求によって、オリジナル曲が間に合わず、デビューアルバム、セカンドアルバムと同様に、オリジナル曲とカヴァー曲が混在するアルバムですが、このアルバムでカヴァーされた事によって、後にロックスタンダードとなるチャック・ベリーの『ロックン・ロール・ミュージック』、ジョン・レノンの強烈なシャウトが聴ける『ミスター・ムーンライト』など、カヴァー曲にも名曲が多く、オリジナル作品では、『エイト・デイズ・ア・ウイーク』『ノー・リプライ』などの名曲も収録されています。

 前作『ハード・デイズ・ナイト』では、ビートルズのオリジナル作品のみという構成によって、ビートルズのポップセンスを100%楽しめるアルバムになっていますが、本作では、発売に間に合わせる為には、オリジナル曲が足りないという状況が幸いして、カヴァー曲の名曲が楽しめる作品になりました。オリジナル曲を楽しみたいという方にとっては、デビューアルバム、セカンドアルバムと同様に不満が残るとは思いますが、今回は、初期のビートルズのメンバーの音楽的な好みを反映させたカヴァー曲が充実しています。特に、『ミスター・ムーンライト』でのジョン・レノンのヴォーカルは圧巻で、シングルヒット曲ではありませんが、隠れた名曲としてファンの多い曲で、この曲を聴くだけでも、このアルバムは価値があると思います。オリジナル曲では、やはり、『エイト・デイズ・ア・ウイーク』『ノー・リプライ』の2曲が素晴らしいと思いますが、どちらの曲もレノン・マッカートニーの作曲の能力の高さと、アレンジ面での音楽的な進歩が感じられ、『エイト・デイズ・ア・ウイーク』では、古いロックスタイルに捕らわれない曲のスタイル、アレンジセンスが感じられ、グループサウンズ的な古いスタイルから脱却する兆候が感じられます。また、デビューアルバムから3枚目のアルバムと比べて録音技術が向上してことによって、かなり聴きやすくなっている点も見逃せません。

 個人的には、ビートルズ後期の作品の方が好きなので、買い替えの際はどうしても初期のアルバムを後回しにしてしまいますが、このアルバムだけは例外です。ジョン・レノンが歌う『ノー・リプライ』と『ミスター・ムーンライト』『ロックン・ロール・ミュージック』が目当てでこのアルバムを購入する方も多いと思いますが、私も同じで、初期の作品でジョン・レノンのヴォーカルが一番パワフルなのがこのアルバムだと思います。このアルバムでジョン・レノンがリードヴォーカルをとっている曲はどの曲も素晴らしく、高校生の頃にバンドで演奏したくて仕方がありませんでした。結局ジョンのように歌えるメンバーが一人もいなかった為に、レパートリーに加える事ができませんでしたが、それだけジョンのヴォーカルが凄いという事でしょうね。初期のアルバムの中では、どうしても外せない一枚です。

 

■ エイト・デイズ・ア・ウィーク  ■

 オリジナル曲の名曲『エイト・デイズ・ア・ウイーク』は、このアルバムの中で異彩を放っています。カヴァー曲を多数収録しているので仕方がありませんが、他の曲は、ロックの古いスタイルをそのまま受け継いだようなスタイルが多く、グループサウンズが好きな方以外には、やはり古臭く感じると思いますが、この曲だけは特別で、他の曲と比べて洗練されています。この後のビートルズの音楽的な進化を予感させます。

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アルバムジャケットも印象的です

  デビューしてすぐにトップスターになってしまったビートルズのメンバーは、レコーディング、コンサートツアー、テレビ出演など多忙を極めていました。本作のアルバムジャケットでは、多忙なスケジュールで疲れきったような4人表情が印象的なジャケットで、秋の寒々しい風景と共に印象的なアルバムジャケットになっています。

モントセラト島救済コンサートでも!

 『カンサス・シティ』から『ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ』のメドレーは、モントセラト島救済コンサートでも演奏されています。エリック・クラプトン、エルトン・ジョンなどと共に出演したポール・マッカートニーがトリを努めたコンサートですが、コンサートのクライマックスで他の有名アーティストと共に、この曲を演奏しています。チャリティーコンサートでは、アーティストの代表曲を演奏して観客を楽しませる事が多いですが、コンサートのクライマックスで演奏するほどなので、ポール・マッカートニーとしては、この曲に対する思い入れが相当強いのかもしれません。

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