1. マイ・ラーガン・ラヴ
2. スパンシル・ヒル
3. ペギー・ゴードン
4. ブラック・イズ・ザ・カラー
5. ハート・ライク・ア・ホイール
6. ブッカル・オン・エアルン
7. オールド・ハグ
8. ムーアロック・ショア
9. オールド・タウン
10. ディミング・オブ・ザ・デイ
11. ブリッジ・オグ・ニ・ワイエ
12. ヘイスト・トゥ・ザ・ウエディング
13. リターン・トゥ・フィンゴール

アイルランドの風が流れてくる

　最愛の母を亡くしたコアーズのメンバーが、彼らの母親に捧げたトリビュートアルバム。ライブではお馴染みの『ヘイスト・トゥ・ザ・ウエディング 』や、フィル･リノットのカヴァー『オールド・タウン』をスタジオ録音として初収録。その他の楽曲は、亡くなった母親が歌っていたアイルランドのトラッドソングをコアーズが独自のアレンジでカヴァーしています。都会的なポップサウンドで世界的なアーティストとして飛躍したコアーズですが、このアルバムでは、コアーズの原点であるアイルランド的なサウンドが強調され、アコースティックギター、生ピアノを中心にシンプルなアレンジまとめられています。

　１曲目の『マイ・ラーガン・ラヴ』から、おや？これは今までとは違うな？と感じる空気が漂ってきます。『イン･ブルー』のアルバムから、あきらかにアメリカのマーケットを意識したアルバム作りになっているのが感じられましたが、このアルバムは、ファーストアルバム『遥かなる想い』よりもアコースティック色が強く、全くマーケットを意識していない極めてパーソナルな音作りになっています。アルバムのセールスよりも、自分たちのルーツであるアイルランドの音楽と、母親に対する愛と尊敬の気持ちがアルバムに込められていることが強く感じられます。緑の草原、吹き抜ける冷たい空気、アイルランドの牧歌的な風景が目の前に浮かんでくるような、懐かしい安堵感を与えてくれる個性的なアルバムに仕上がっています。仕事や世の中の雑事に疲れ、自分の居場所すら分らなくなってしまっているような時に、自分の故郷、自分の居場所を思い出させてくれるような、そんな癒し系のアルバムです。ちょっぴり切なく悲しくなりますが・・・。

　  　

 

■　スパンシル・ヒル　■

　コアーズの４人のメンバーの両親が、毎晩のように演奏していた曲らしいですが、諸行無常を感じさせるような歌詞とアイルランド的な旋律が、魅力的です。このアルバムを象徴しているような名曲では無いでしょうか。

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アルバム初収録！
　
　 デビュー当時から必ずライブで演奏されていた『ヘイスト・トゥ・ザ・ウエディング』、シン･リジィのベーシスト兼ヴォーカリストとして有名なフィル･リノットのカヴァー『オールド･タウン』が、このアルバムに、スタジオレコーディングとしては、初収録されています。どちらの曲も、コアーズのライブではお馴染みの曲なので、やっとスタジオ盤で聴く事ができます。

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