スーパーバンド唯一のアルバム
1969年発売、エリック・クラプトンとスティーブ・ウィンウッドによるスーパーバンドのデビューアルバムにして唯一のスタジオレコーディングアルバムです。ソロとして活躍する二人のトップアーティストが在籍したバンドの音源としてだけでも貴重な一枚でしょう。
エリック・クラプトンのクリームに比べると、やはりスティーブ・ウィンウッドの個性が強いような気がしますが、後にエリック・クラプトンのソロ活動でも重要なレパートリーとして演奏される『プレゼンス・オブ・ザ・ロード』『歓喜の海』『マイ・ウェイ・ホーム』などの名曲を収録した名盤です。スティーブ・ウィンウッドのソングライター、シンガーとしての才能とエリック・クラプトンのギタリストとしての才能が見事に融合した傑作で、クリームのメンバーだったジンジャー・ベイカーのドラムも自己主張が強すぎずバランスが取れています。この一枚で燃えつきた!というテンションの高さはありませんが、スティーブ・ウィンウッドの才能をバンドの形で引き出したという意味では最高のアルバムだと思います。ただ、あまりにもエリック・クラプトンが献身的にプレイしすぎた為か、ブラインド・フェイスは、この一枚だけで解散してしまいますが、今改めて聴いても名曲の多い、密度の濃いアルバムだと感じます。
アルバムの原題はシンプルに『Blind Faith』ですが、日本のアルバムタイトルは『スーパー・ジャイアンツ』になっています。このアルバムジャケットの少女がジェット機を手に持ち、まるで巨人のようなイメージからかもしれませんが、どうにも微妙なジャケットです。この手のロリコン系のアルバムジャケットに対して厳しいイギリスでは、かなり問題になり、ジャケットがメンバーの写真に差し替えになったりしたようですが、アルバムの内容がいいだけに、もうちょっといいデザインにして欲しかったような気もします。