ヘンリー・ヒルは少年の頃からマフィアの世界に憧れ、１２歳からマフィアのボス、ポール・・シセロの下で働き始める。大人になったヘンリーは、ジミー・コンウェイ、トミー・デビートらの仲間と共にマフィアの一員として窃盗などで優雅な暮らしをするようになるのだが・・・。

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　１９９０年アメリカ作品。監督は『ディパーテッド』『最後の誘惑』などのマーティン・スコセッシ、出演は、『ゴッドファーザーPART�U』『ディア・ハンター』などのロバート・デ・ニーロ、『カジノ』『リーサル・ウェポン４』などのジョー・ペシ、『フィールド・オブ・ドリームス』『ハンニバル』などのレイ・リオッタなど。実在のマフィア、ヘンリー・ヒルの見てきたマフィア世界を描くバイオレンスアクション。

　この作品の他にも『カジノ』『ディパーテッド』などマフィア系の作品を得意とするマーティン・スコセッシ監督のバイオレンスアクション作品ですが、バイオレンスの描写は、作品ごとに進化し、この作品でも個性的で生々しいバイオレンスシーンは、かなりショッキングです。実話を元にしたストーリーなので、マフィアの日常がリアルに描かれていて、『ゴッドファーザー』のようなスタイリッシュな映像美ではありませんが、その分生々しさが伝わってきます。『カジノ』でもコンビで出演していたロバート・デ・ニーロとジョー・ペシの迫力の演技が一番の見所ですが、主演のレイ・リオッタも、悪人顔でそれなりにハマっています。出演者の演技力、存在感、個性的なバイオレンス描写などは、さすがですが、ストーリーは意外性が無く、教訓になるような重みのあるシーンも少ないので、マフィア映画の好きな方以外には、あまりオススメできません。暴力に支配される世の中の現状を知り、マフィア映画の迫力あるバイオレンスを楽しめる作品ですが、自分の利益の為には、人の命を平気で奪うような恐ろしい人間が描かれているので、仲間同士の裏切り、残虐行為にはウンザリさせられるので、暴力が嫌いな方は観ない方がいいでしょう。出演者に関しては、チンピラの役としてはレイ・リオッタはハマリ役ですが、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシの存在感が圧倒的なだけに、主演となると、ちょっと迫力に欠け、作品自体のイメージを弱くしてしまっているような気がします。また、『愛と青春の旅立ち』で有名なデヴラ・ウィンガーも出演していますが、こちらも、時代背景が古い為、セクシーな魅力が生かされているとは言えません。マフィア映画の迫力、リアリティという点では名作ですが、マーティン・スコセッシ監督作品の中では、代表作とは言えないかもしれません。

たたきのめせば黙る

　マフィアの標的になってしまったら、法律も警察も一切頼りにならないという、暴力に支配された世の中の現状を象徴するようなセリフで、気が滅入ります。この作品は実話をベースにしているので、なお更、気分が悪くなります。いつの時代にも、暴力による支配は無くならないのかもしれません。

 

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