初期のイーグルスを支えた男
イーグルスのオリジナルメンバーであるバーニー・リードンは、もしかしたら、イーグルスのメンバーの中では一番マイナーな存在で、過小評価されている存在かもしれません。ギターだけでなく、マンドリン、バンジョーなども演奏できる器用なプレイヤーであり、イーグルのメンバーの中でも、最もカントリーフィーリングが感じられる作風で、初期のイーグルスの名曲には、作曲者名に、必ずと言っていいほど彼の名前がクレジットされています。特に初期のイーグルスのファンにとっては、彼の脱退はショックだったと思います。ドン・ヘンリーやグレン・フライのようにヒット性の強いメロディよりも、素朴で人間味の溢れる感情を、シンプルなカントリーフィーリングで表現する感性は、『今朝発つ列車』『ビター・クリーク』『マイ・マン』などの名曲を生み、初期のイーグルスサウンドの重要な存在でした。彼の脱退後、ロック色の強くなったサウンドに失望した初期イーグルスのファンは、バーニー・リードンの存在が、いかに大きかったかを痛感したのではないでしょうか。1977年には、マイケル・ジョージアデスと結成したユニットでアルバムを発表しますが、ビッグヒットにはならず、残念ながら目立った活動はできませんでした。
私が、高校生の頃、担任の先生がロックファンだったので、高校の学園祭のゲストにドン・ヘンリーか、グレン・フライを呼んで欲しいと、冗談で言ったんですが、その先生は、『俺はドン・ヘンリーもグレン・フライも嫌いだ!バーニー・リードンが好きなんだ!』と言って怒っていました。その当時は、なんてひねくれたヤツなんだと思っていましたが、今になってみると、本当にバーニー・リードンが好きなイーグルスファンは多いんじゃないかな?と考えてしまいます。きっと、その先生も『テイク・イット・イージー』や『ならず者』よりも、『ビター・クリーク』『マイ・マン』などの名曲が好きでイーグルスのファンだったんでしょうね。