俳優としても活躍するマルチなアーティスト
リンダ・ロンシュタットのバックバンドのメンバーだった4人をレコード会社に売り込み、イーグルスとしてデビューさせた張本人であり、ミュージシャンとしての才能だけでなく、俳優としても活躍し、マネージャーやビジネスマンでも手腕を発揮できるんじゃないか?と思わせるような器用な人です。イーグルスでは、ドン・ヘンリーと共作で作曲する事が多く、『ならず者』などの名曲をはじめ、グレン・フライとドン・ヘンリーの共作による名曲は、イーグルスの代名詞と言えるような名曲が多く、ビートルズのレノン・マッカートニーのような名コンビとして知られています。
イーグルスでは、ヴォーカル、コーラスの他に、ギターやキーボードを担当していましたが、テクニックに優れたプレイヤーではなく、コードを弾くだけのプレイが多いですが、ソロアーティストとしても成功したヴォーカル、作曲センスは、ウエストコーストのミュージシャンの中でもトップクラスと言えます。曲は、メロディを中心にしたものが、ほとんどで、ジョー・ウォルシュのように、ギターのリフを中心に作曲するのが苦手で、ロック色の強い曲は、ほとんど昔ながらのロックン・ロール・パターンを基本にしています。ソロ活動になってからも、映画『ビバリーヒルズ・コップ』の主題歌『ヒート・イズ・オン』や、『マイアミ・バイス』の挿入歌『ユー・美ロング・トゥ・ザ・シティ』などヒット曲を連発し、抜群のポップセンスを証明しましたが、作詞家としての能力は、ドン・ヘンリーに比べて低く、シンプルなラブソングが中心でした。アレンジ面では、レコーディングのミュージシャンに任せているようで、アルバムによってマチマチですが、『ソウル・サーチン』のアルバム以降は、スティーリー・ダンなどのアルバムに近い洗練されたサウンドになりなっています。
リンダ・ロンシュタットによると、イーグルスのメンバーの中では、ビジネス的にも一番のやり手で、抜け目の無い賢い人物のようですが、ミュージシャンとしてだけでなく、俳優としても活躍するなど、多彩な才能を発揮しています。映画やTVドラマに出演するミュージシャンは、カメオ出演でセリフも無い場合が多いですが、グレン・フライの場合、ちゃんとした役で、しっかりと演技しているところが凄いと思います。80年代の超人気番組『マイアミ・バイス』では、運び屋を演じ、キャメロン・クロウ監督の『ザ・エージェント』ではビジネスマンを好演しています。ミュージシャンとして、俳優としても評価され、しかもビジネス感覚も優れているとなると、ヤな奴なんじゃないかと思ってしまいますが、浮気などのスキャンダルは皆無で愛妻家としても知られているので、人間的にもいい奴なんだと思います。これからも、イーグルスのメンバーとしてだけでなく、ソロアーティストとして、俳優としての活躍してくれると思います。
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