イーグルスのドキュメンタリーと黄金期のライブ映像
2013年発売。イーグルスのデビューから現在までの足跡を描いたドキュメンタリー映画としてアメリカのサンダンス映画祭で上映された作品がDVDで発売になりました。デラックス・エディションには、ロック史に残るイーグルスの名盤『ホテル・カリフォルニア』のレコーディング時のメンバーによるライブ映像ディスクが付いています。
イーグルスのデビューからのファンには絶対に楽しめる内容のドキュメンタリー作品でしょう。グレン・フライ、ドン・ヘンリーのデビュー前の活動、ジャクソン・ブラウンやJ・D・サウザーなどとの交友などもインタビューを交えて事細かに描かれているので、ウエスト・コースト・サウンドの全盛期に至る過程や、レッド・ツェッペリンやローリング・ストーンズ、ビートルズなどに憧れていたイーグルスのメンバーの音楽性のルーツなど興味深いエピソードも多く、イーグルスのファンにとっては、意外な発見の多いドキュメンタリー作品だと思います。そして、メンバーの確執、メンバーチェンジに至るいきさつなども人間味溢れると言うか子供じみていると言うか、苦笑してしまうような醜聞も明らかにされています。普通、ドキュメンタリー作品だと、メンバーが知られたくないような醜聞は極力伏せられる事が多いのですが、本作では、放送禁止用語が多く、生身の人間の姿が描かれているという面でも秀逸だと思います。やはり、どちらかというとリアルタイムでイーグルスの全盛時を知るファンの方が楽しめる内容ですが、近年の再結成ツアーからのファンも、若かりし頃のイーグルスのメンバーの姿を楽しめるわけですから、買って損はないでしょう。そして、一番のセールスポイントは、デラックス・エディションに付属している1977年のライブ映像!名盤『ホテル・カリフォルニア』のレコーディングメンバーが、デビューアルバムから『ホテル・カリフォルニア』までの代表曲の8曲を演奏する映像を楽しめます。イーグルスファンにとっては、待ちに待った映像だと思います。はぁー、生きてて良かった。
本作のライブ映像の1曲目『ホテル・カリフォルニア』の映像は、テレビ番組のロック特集などで何度も放送されているので、ロックファンなら一度は見た事があると思いますが、この時のライブの映像を更に7曲楽しめるんですから、デビュー当時からのイーグルスのファンは嬉し泣きでしょう。厳密に言うとジョー・ウォルシュのソロの曲『ロッキー・マウンテン・ウェイ』が入っているので、イーグルスの代表曲7曲とジョー・ウォルシュの1曲が収録されています。ジョー・ウォルシュの曲は典型的なブルースナンバーなのでジョー・ウォルシュのギターを中心に楽しむ曲ですが、イーグルスの名曲では、圧倒的に完成度の高いパワフルなコーラスワークに今更ながら驚かされます。『偽りの瞳』『テイク・イット・イージー』などのコーラスワークは鳥肌が立つほど感動させられます。映像は70年代のライブ映像としては画質も良いほうで、かなりきれいです。サウンド面は秀逸で、各楽器の音の輪郭がクリアで、特にジョー・ウォルシュ、ドン・フェルダーの繊細なピッキングのニュアンスなども生々しく伝わり上質のサウンドでイーグルスの全盛期のライブの名演を楽しめます。もー嬉しくて何度も何度も観てしまいました。