ツアーの合間にレコーディングされ、かなり忙しい状況だったらしく、レッド・ツェッペリンのメンバーに達には、あまりいい思い出が無いアルバムだそうですが、レッド・ツェッペリンの人気を決定付けた伝説の名盤でしょう。「ZEPのアルバムの中では、このアルバムが一番好き」というファンはかなり多いのではないでしょうか。「天国への階段」が収録されている「レッド・ツェッペリンW」と並んで一般的には最も人気のあるアルバムだと思います。ZEPの初期のライブで欠かせないレパートリーとなっている名曲がほとんど収録されていますし、今まで、このアルバムが嫌いだという人に逢ったことがありません。ZEPを聴いた事がないという人でも、「アレ、このギターは何か聴いた事があるな」と知らず知らずのうちに耳にしているのではないでしょうか。
ツアーの合間に、あちこちのスタジオで録音されたという割には、非常に完成度も高く、ボーカルのメロディもギターのリフもポップで聴きやすく、しかも強烈なリフをベースにしたヘヴィなサウンドはクリーム無き後のブリティッシュ・ハードロックのバンドのリーダーとなるにふさわしい内容だったと思います。ファーストアルバムより、バンドの個性、方向性がハッキリと打ち出されたアルバムになっています。ファーストアルバムでは、ジョン・ボーナムの存在がアルバムの成功に多大な貢献をしていましたが、このアルバムででは、その存在感を更に強調するかのようにドラムソロを取り入れた「モビー・ディック」が収められ、前作では控えめだったジョン・ポール・ジョーンズも「強気二人の愛」「レモン・ソング」「ランブル・オン」などでの才能溢れるプレイの他、アレンジャー、キーボーディストとしても実力を発揮してアルバムの完成度を高める上で重要な役割を果たしています。
ハードロックのバイブル
「胸いっぱいの愛を」「ハートブレーカー」「リヴィング・ラヴィング・メイド」「モビー・ディック」「ランブル・オン」などのギターリフは、もう本当に今聴いてもカッコイイ、ロックのお手本のようなリフで、プロ、アマ両方のミュージシャンにどれほど演奏された事でしょう。また、どれほど多くのロックファンを熱狂させた事でしょう。ロック史の中で絶対に外す事の出来ない名盤です。今でも、このアルバムを聴き始めると、結局最後まで通して聴いてしまいます。ロックファンなら、一家に最低一枚は常備すべきアルバムです。