セッションミュージシャン出身なので、テクニックはトップレベル。指で弾くことが多いですが、曲に合わせて指弾きとピック弾きを使い分けているようです。この使い分けは、速い曲で指で弾けないからピックを使うといったことではなく、ピック弾きの硬くエッジの立ったサウンドが欲しいときにはピックを使うという感じで、アレンジャーとしても活躍していたジョンジーらしい音への気配りだと思います。またベースラインの組み立ても、クラッシック、ジャズ、ロックと色々なジャンルのベース理論からセンス良く構成されているので、ベーシストの方には是非参考にしていただきたいと思います。特にレッド・ツェッペリンUのベースのメロディラインは、ドラムと語り合っているような生き生きとした表現力に満ちています。またレッド・ツェッペリンVの「フレンズ」のベースラインは、ベーシストに限らずショックを与えるかもしれません。
ベーシストだけではなくキーボードプレイヤーとしてもレッド・ツェッペリンのサウンドに大きな貢献をしています。「好きなキーボードプレイヤーはジョン・ポール・ジョーンズ」と答えていたプロミュージシャンのかたがいましたが、ジョンジーのキーボードプレイヤーとしてのセンスの良さも見逃せません。「聖なる館」に収録されている名曲「レイン・ソング」のキーボードアレンジは、何か神聖な雰囲気すら感じられますし、「フィジカル・グラフィティ」に収録されている「トランプル・アンダー・フット」のアレンジは、後々までキーボードバッキングのお手本として参考にされています。
ベース、キーボードの他に、レッド・ツェッペリンのライブでアコースティックの曲を演奏するときはトリプルネックギターを使用し、ギター、マンドリンなども演奏する。楽器ならほとんど何でもこなすマルチプレイヤーであることもレッド・ツェッペリンサウンドに大きな貢献をしています。
|