原点回帰の傑作!
1988年リリースのロバート・プラント のソロアルバム第4作目。強力なバックバンドのメンバーを揃え、原点回帰を図って成功を収めた傑作。『ヘブン・ノウズ』『トール・クール・ワン』『シップ・オブ・フールズ』などの名曲を収録。
レッド・ツェッペリン 解散後、ニューウェーブ的な要素を取り入れたりして独自の音楽性を確立しようと模索していたロバート・プラントですが、本作で原点回帰。レッド・ツェッペリン名曲のリフをエンディングに挿入した『トール・クール・ワン』などを中心に、レッド・ツェッペリンの音楽性を自分のオリジナリティに昇華させたような優れた曲で構成された名盤です。前作まではバックバンドのメンバーが色々と入れ替わっていましたが、本作のメンバーは、この作品の後もレコーディング、ライブ共に固定されて、バンドとしての個性が確立して安定感が抜群です。メンバーは以下の通り。ダグ・ボイル(G)、フィル・スクラッグ(B)、フィル・ジョンストン(Key)、クリス・ブラックウェル(Ds)。このメンバーは、プレイヤーとして優れているだけでなく、ロバート・プラントのヴォーカリストとしての才能を最大限に発揮させる作曲能力、アレンジ能力があり、本作以降のロバート・プラントのソロ活動に欠かせないメンバーになっています。抜群のテクニックでキレのあるプレイを聴かせてくれるダグ・ボイル。この人はホントにバカテクで、ハッキリ言ってジミー・ペイジ より全然うまいです。ドラムだけでなく作曲能力にも優れた才能を発揮するクリス・ブラックウェルは、ボンゾ のようなパワープレイをするタイプではありませんが、タイトでセンスの良い計算されたフィルインで曲にアクセントを付けてくれますし、ベースのフィル・スクラッグは、ワイルドでダイナミックなグルーヴ感で、バンドのサウンドに躍動感を与えてくれます。そして、ロバート・プラントが最も信頼しているフィル・ジョンストン。この人は、キーボードプレイヤーとしてだけでなく、アレンジャー、作曲家、プロデューサーとして、多彩な才能を発揮してロバート・プラントのサウンドの基盤を創っています。レッド・ツェッペリン風のサウンドでありながらも、このフィル・ジョンストンのイマジネーションによって、予想外に完成度の高いアルバムに仕上がっているのは間違いないでしょう。いやー、本当にいいバンドです。
『ヘブン・ノウズ』『トール・クール・ワン』の2曲にジミー・ペイジも参加していますが、やっぱり、『トール・クール・ワン』でレッド・ツェッペリンのリフが出てくるのは、レッド・ツェッペリン・ファンには嬉しいですね。ちなみに、この曲で使われているのは、『カスタード・パイ』『胸いっぱいの愛を』『オーシャン』のリフです。レッド・ツェッペリンのファンには絶対にオススメですし、ロバート・プラントらしいエスニックな雰囲気とポップな名曲が楽しめるアルバムなので、ロックファン全般にもオススメできまる名盤です。
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