■主な監督作品■

ディア・ハンター
天国の門
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
シシリアン
心の指紋

ユナイテッド・アーティストをつぶした男

　

１９４３年生まれ、アメリカ、ニューヨーク出身の映画監督。１９７４年にクリント･イーストウッド主演の『サンダーボルト』で監督としてデビュー。１９７８年の『ディア・ハンター』でアカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞し、その才能が世界に認められますが、１９８０年の超大作『天国の門』が、興行的に大失敗でユナイテッドアーティストが倒産してしまい。ユナイテッドアーティストをつぶした男として有名になってしまいました。その後、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 』『シシリアン』『心の指紋』などの傑作を監督しますが、いまだにハリウッドでは嫌われている為、近年では監督作品が無く、実質的に引退のような状況になっています。

　『ディア・ハンター』『天国の門』をはじめ、マイケル･チミノ監督作品は傑作が多く、映画ファンには絶大な人気がありますが、ユナイテッドアーティストをつぶした男というイメージはいまだに強く、ハリウッドからは嫌われているようです。ハリウッドは超大作がコケると大変な負債を抱えてしまうので保守的になってしまうのは仕方がありませんが、ジンクスにも敏感で、ドン･ジョンソンなども『テレビはいいが、映画に出ると必ずコケる』というジンクスのせいで出演作品に苦労していました。マイケル･チミノ監督の場合、メジャーな映画会社をつぶすほどの制作費を要求していたのですから、嫌われるのも当然かもしれませんが、アクションシーンでの演出の才能は、現在活躍している監督にも引けを取らないですし、アカデミー賞監督賞を受賞した才能は、誰しもが認めるところです。映画会社の倒産という大事件の立役者になってしまった事で敵が多いのは当然でしょうが、優秀な映画監督が干されているというのは、映画ファンにとっては、残念な限りです。

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